ウィルコムは2006年9月20日、次世代PHSの実験で、上り・下り20Mbpsの転送速度を実証したと発表した。

 同社は2006年8月に2.5GHz帯での実験免許を取得しており、1年間をめどに実験を行っている。今回はその2.5GHz帯において、複数の搬送波を用いてデータの転送効率を上げる新しい通信方式「OFDM」を利用した。ウィルコム本社周辺の東京・虎ノ門地域にあるビルと郊外に、それぞれ1個所ずつアンテナと基地局実験設備を設置して実証実験を行った。電波を指向的に集中させるアダプティブアレイアンテナ技術を採用した場合や、無線LANでも利用されているMIMO技術を採用した場合の性能評価を中心にしたという。

 ウィルコムは次世代PHSの特徴として、(1)最高転送速度が20Mbps以上、(2)複数の基地局を1台の端末から利用が可能、(3)MIMOなど無線LANで使われている技術と同等の高速化技術の導入、(4)現行PHSとの共存、などを挙げている。今回の実験では(1)が実現可能であることが確認されたことになる。なお、「商用化については未定」(ウィルコム)という。