100Mビット/秒のイーサネットでHD(High Definition)動画を2チャンネル送受信できるネットワーク・プロセッサ「LAN9131」
100Mビット/秒のイーサネットでHD(High Definition)動画を2チャンネル送受信できるネットワーク・プロセッサ「LAN9131」
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 半導体メーカーのSMSC Japan(スタンダードマイクロシステムズ)は9月19日,100Mビット/秒のイーサネットでHD(High Definition)動画を2チャンネル送受信できるネットワーク・プロセッサ「LAN9131」を発表した。同日サンプル出荷を開始し,2007年第1四半期に量産出荷を開始する。サンプル価格は1個20ドル。

 LAN9131は,30Mビット/秒のHD動画を2チャンネル同時に送受信する機能や,TCP/IPスタック処理機能,デジタル家電接続規格である「DLNA(Digital Living Network Alliance)」に対応する機能,「Windows Media DRM 10」や「DTCP-IP規格」のDRM(デジタル著作権保護技術)に対応するための暗号化/複合化処理機能などを,1チップで実現するネットワーク・プロセッサである。LAN9131を搭載するデジタル家電は,メインのプロセッサに負荷をかけずにこれらの処理が可能になる。同社ではLAN9131が備えるこれらの機能を「RipStream」と呼んでいる。

 記者会見では,ACCESS,デジオン,アイ・オー・データ機器,ユビキタスの各社が,RipStreamのコンセプトに賛同するコメントを表明した。この中でもデジオンが,LAN9131を搭載したセット・トップ・ボックス(STB)の開発を表明したほか,ユビキタスがDLNAに対応したデジタル家電分野において,SMSC Japanと戦略的な協業を開始したことを明らかにしている。

 ユビキタスによれば,LAN9131を使うことによって,DLNAに対応するミドルウエア(カーネル,TCP/IP,DLNA対応ミドルウエアを含む)を約200Kバイトのコードサイズで実現できるという。同ミドルウエアの使用メモリー容量は,HD映像転送時でも2Mバイトであり「世界最小・最軽量クラスの実装が可能になる」(ユビキタス)としている。