Project 2007の製品ラインアップ
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Project 2007では、図やアイコンを使った視覚的なレポートを作成できるようになる
Project 2007では、図やアイコンを使った視覚的なレポートを作成できるようになる
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Project Server 2007で一新されるアーキテクチャー。スケーラビリティやパフォーマンスなどの向上を狙っている
Project Server 2007で一新されるアーキテクチャー。スケーラビリティやパフォーマンスなどの向上を狙っている
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Visioのデータ統合機能。ウインドウの下部に、取り込んだExcelデータが表示されている。これを図にドラッグ・アンド・ドロップすれば関連づけが完了する
Visioのデータ統合機能。ウインドウの下部に、取り込んだExcelデータが表示されている。これを図にドラッグ・アンド・ドロップすれば関連づけが完了する
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Visioの新機能「データオーバーレイ」。画像などの上にデータを重ねて表示できる
Visioの新機能「データオーバーレイ」。画像などの上にデータを重ねて表示できる
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 マイクロソフトは2006年9月19日、プロジェクト管理ソフト「Project 2007」とグラフィックスソフト「Visio 2007」の説明会を開催した。冒頭、インフォメーションワーカービジネス本部の細井智マネージャは「どちらも、J-SOXの関係で現在引き合いが強くなっている」と説明。会計監査制度の充実と企業の内部統制強化を目的としたJ-SOX(日本版企業改革法)が追い風になるとアピールした。なお、これら2製品はいずれも同社の次期オフィスソフト「the 2007 Microsoft Office system」(Office 2007)とほぼ同時期に、単体製品として店頭に並ぶ予定である。

 Project 2007には、利用する規模や形態に応じた5製品がある。このうち、最も基本的な機能を備えるデスクトップソフトが「Project Standard」だ。新版での大きな改良点は3つ。まず1つ目が、シミュレーション機能を向上させたこと。例えば、これまで1回しか実行できなかったアンドゥやリドゥが99回まで実行可能になった。「さまざまなプロジェクトの計画を作ってシミュレーションするうえで、アンドゥは重要」(インフォメーションワーカービジネス本部の相場宏二氏)。マクロなどによる操作もアンドゥ可能だ。予算や、プロジェクトタスクの依存関係を分析するための新機能も追加した。

 2つ目がレポート機能の改良。テンプレートを使って1ページに収まる視覚的なレポートにしたり、ExcelやVisioと連携してグラフや図形などを多用したレポートにしたりできる。そして3つ目は表現力の拡大。プロジェクトの期間や達成率などを変更すると、変更される個所をハイライト表示し、ほかのタスクにどのような影響を与えるかを目立たせることが可能だ。

 さらに大きな変更が加わるのは、サーバー製品「Project Server」。全社レベルでのプロジェクト管理が可能であり、ユーザーはWebブラウザーやOutlookなどからアクセスして進捗状況の確認や入力作業が行える。既存版ではスケーラビリティやネットワーク負荷などの点で問題があったが、新版ではアーキテクチャーを一新する。マルチCPUや複数サーバーでの運用が可能になる、キャッシュの仕組みを利用して差分だけをクライアント側に送れる、キューイングシステムの搭載でアクセス集中時にも処理を順次実行できるようになる、などの改善が加えられる。これにより「数千、数万規模のユーザーにも対応可能になる」(相場氏)という。

Visioの強化点は4つ

 一方、Visioの主要な強化点は4つ。1つ目は、見栄えの良い図を素早く作成できる機能を追加したこと。関連のある複数の部品を指定するだけで、それらを自動的に線でつなぐ「オートコネクト」や、統一感のあるデザインを図全体に適用できる「テーマ」などがその一例だ。

 2つ目は、データ統合を容易にしたこと。データベースや表計算ソフトなどのデータを、簡単な操作でVisioの図に取り込めるようにした。取り込みたいデータを開いて、関連づけたい図にドラッグ・アンド・ドロップするだけだ。複数の図とデータを一度に関連づけることも可能だ。

 データの可視化や分析に関する機能強化が3つ目。図の中にアイコンなどでデータを表示して重要な個所を目立たせたり、画像などの上にデータを重ねたり、といったことが可能になる。Excelのデータを読み込み、データ間の関連を階層構造にして表示させることもできる。

 最後の4つ目は、ほかのOffice製品との連携強化。例えばOutlookでは、メールに添付されたVisioのファイルをプレビューできるようになる。Projectと連携し、ビジュアルなレポートを作成する機能も用意される予定だ。