Webブラウザ上での画面デザイン。マウスでボタンなど画面オブジェクトを配置する
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Eclipse上でのプロパティ設定
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マスカットで生成されたAjaxアプリケーション
マスカットで生成されたAjaxアプリケーション
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マスカットで開発したコールセンター・アプリケーション
マスカットで開発したコールセンター・アプリケーション
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マスカットによる開発の流れ(NTTデータの資料より引用)
マスカットによる開発の流れ(NTTデータの資料より引用)
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マスカットの実行時の流れ(NTTデータの資料より引用)
マスカットの実行時の流れ(NTTデータの資料より引用)
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 NTTデータは,Ajaxアプリケーションをビジュアルに作成できる開発ツール「マスカット」を,2006年9月中にオープンソース・ソフトウエアとして無償公開する。ボタンやタブ,ツリーなどの画面オブジェクトをマウスで配置してアプリケーションを開発できる。NTTデータによれば,JavaScriptを書くことなくアプリケーションを開発でき,工数が約60%削減されるという。オープンソース・ソフトウエアとして無償公開することでデファクト・スタンダードの地位を狙う。

 マスカットによる開発の手順は以下のようになる。まず用件定義担当者がWebブラウザ上の「マスカットWebブラウザ版IDE」で,Web画面をマウス操作でデザインすると,画面定義XMLが生成される。これを開発担当者が「マスカット Eclipse版IDE」にインポートして,画面オブジェクトと既存の業務ロジック・オブジェクトを対応付ける設定などを行い,レイアウト定義XMLとイベント定義XMLを生成する。マスカットの実行モジュールは生成されたXMLを読み込み,既存の業務ロジックと連携するAjaxアプリケーションを動作させる。(以下2006年9月17日追記)業務ロジックはJ2EE(Java),PHPなどに対応する。(以上2006年9月17日追記)

 マスカットは,オープンソースのAjaxツールキットであるRialtoを利用している。Rialtoプロジェクトでも9月1日,マウス操作で画面を生成できるツール「Rialto Studio」を公開しているが「Rialto StudioではAjax画面を生成することはできるが,アプリケーションとして一連の処理を行わせるためにはプログラムを書く必要がある。マスカットでは,テキスト・ボックスに検索したい単語を入力し,それをグリッド(表)に表示するといった一連の処理を,プログラムを書かずに作成できる」(NTTデータ 技術開発本部 ソフトウエア工学推進センタ)という。

 NTTデータによれば,prototype.jsなどのAjaxライブラリをじかに利用しプログラムを記述した場合23時間を要したアプリケーションが,マスカットでは9時間で開発できたという。開発工数は約60%削減されたことになる。また学習工数は26時間に対してマスカットは19時間と,27%短縮されたという。

 マスカットは,オープンソース・ソフトウエア開発支援サイトのsourceforge.jpで公開する。配布ライセンスはApache License 2.0を予定している。