総務省の「IP化の進展に対応した競争ルールの在り方に関する懇談会」は2006年9月13日に最終の第10回会合を開き,「新競争促進プログラム2010」と題した報告書をまとめた。総務省は同プログラムを9月中にも公表し,報告書の中に盛り込まれた新たな競争促進施策を順次打ち出していく計画である。

 通信事業における競争の構図は,固定電話網を中心としたインフラレイヤーでの競争から,IP網を中心としたインフラからアプリケーションまで複数のレイヤーにわたる競争へと変化してきている。これを踏まえて今回の報告書では,既存の料金政策や接続ルールなどを根本的に見直す提言が盛り込まれた。

 具体的には,NTTグループによる独占性の高い固定通信事業に関する政策だけでなく,光ファイバーなどの設備競争や,移動通信市場における端末販売ビジネスの検証,一部のコンテンツや消費者によってネットワークの伝送帯域の大半が消費されてしまうことに対する公平性の在り方(ネットワークの中立性)など,これまでになかった新しい政策テーマを幅広く取り上げている(詳細は日経ニューメディア2006年9月18日号に掲載)。