任天堂は2006年9月14日、家庭向けの据置型ゲーム機「Wii(ウィー)」を同年12月2日に日本国内で発売すると発表した。価格は2万5000円。ゲームソフトは発売と同時に16作品を投入。さらに同年12月末までに11作品を追加する。ソフトの単価は4800~6800円の予定。日本以外での発売時期と価格は、「近日中に各地の現地子会社から発表する予定」(同社)としている(発表資料)。

図1
Wiiは12月2日発売、2万5000円

図2
WiiはPS3やXbox360と比べて、きょう体は小さい

「どうしたら触ってもらえるか、毎日起動してもらえるか…」

 千葉市の幕張メッセで開催した製品発表会において、同社社長の岩田聡氏は、家庭向けゲーム機に対する持論を改めて強調した。「2003年に東京ゲームショウの基調講演で語ったように、日本市場ではゲーム離れが進行している。当社は2004年末に発売した『ニンテンドーDS』と今回のWiiにおいて、ゲーム人口を拡大することを目指した」。

図3
任天堂の岩田社長。「生活の一部として、毎日起動してもらえるゲーム機を目指した」

 ニンテンドーDSは、日本国内ではWiiのちょうど2年前に当たる2004年12月2日に発売された。2画面のディスプレイやタッチパネル、音声入力といったハードウエア設計に加え、「脳を鍛える大人のDSトレーニング」や「しゃべる!DSお料理ナビ」など、従来なかった新たな分野のソフトでヒットを連発した。その結果、「ニンテンドーDSは発売後20カ月で国内出荷1000万台を達成するなど、過去最高のペースで普及が進んだ。さらに、国内のゲーム市場で史上初めて携帯型ゲーム機の市場規模が据置型を上回るという結果を残した。今までゲームに興味を示さなかった大人のユーザーや、女性のユーザーを開拓するなど、ゲーム市場の拡大に寄与した」と岩田氏が語るように、大きなブームを引き起こした。

図4
ニンテンドーDSの累積出荷台数は、任天堂のゲーム機の中で最速のペースを記録

 その上で岩田氏は、「ニンテンドーDSの普及がWiiの普及を保証するものではない」とする。据置型ゲーム機は携帯型と違い、テレビの前でないと遊べない。またニンテンドーDSでは、プレイする姿を周囲の人が見ることにより、口コミで普及が加速するという現象があったが、Wiiではその可能性も小さい。「宣伝に注意を払ってもらうことさえ難しいだろう」(岩田氏)。

 こうした問題を解決するため、同社はWiiを従来の据置型ゲームとは異なる発想で開発した。「どうすればゲームに興味のない人に触ってもらえるか、どうすれば家族の全員から無視も敵視もされずに受け入れられるか、どうすればWiiを生活の一部として毎日起動してもらえるか。当社がWiiで提供するものは、これらについて考えた結果である」(岩田氏)。

図5
ニンテンドーDSの実績を披露する一方で岩田氏は、「据置型ゲーム機であるWiiは、ゲーム人口の拡大という面でニンテンドーDS以上に難しい」と素直に認める。こんなスライドも

MSX、PCエンジン、メガドライブのソフトも遊べる

 岩田氏は講演の後半、Wiiについて、大きく分けて3点の特徴を紹介した。「チャンネル」という機能、過去のゲーム機との互換性、新たなインタフェースを採用したソフト群、である。