写真 アラクサラネットワークスが発表した企業向けLANスイッチ(左から「A6708S」,「AX6308S」,「AX6304S」)
写真 アラクサラネットワークスが発表した企業向けLANスイッチ(左から「A6708S」,「AX6308S」,「AX6304S」)
[画像のクリックで拡大表示]

 アラクサラネットワークスは9月14日,10Gビット/秒に対応したLANスイッチ「AX6300S/AX6700Sシリーズ」を発表した(写真)。本体は,LANポートのモジュールを差し替えて利用するシャーシ型のデザインを採用。主に,大企業や通信事業者向けに提供する。同社のシャーシ型LANスイッチとしては,初めて企業ユーザーをターゲットに入れた。価格は521万8500円から。11月1日から順次出荷を開始する。

 アラクサラはAX6300S/AX6700Sシリーズを,10Gビット/秒に対応した既存モデル「AX7800Sシリーズ」と,10Gビット/秒には非対応の既存モデル「AX5400Sシリーズ」の中間に位置付けている。AX7800Sシリーズとの違いは,企業での利用を想定していること。このため,通信事業者が必要とする運用管理機能などを省いている。AX5400Sシリーズとは,10Gビット/秒のLANポートを搭載できる点が異なる。

 今回発表した2シリーズの違いは,処理性能にある。AX6700Sシリーズは最大1.15テラ・ビット/秒のスイッチング容量を持つ。10Gビット/秒のLANポートも最大64ポートを搭載でき,すべてフルレートで動作する。一方,AX6300Sシリーズのスイッチング容量は最大192Gビット/秒。10Gビット/秒のLANポートも搭載可能だが,通信速度はフルレートではなく約3分の1程度に抑えられている。

 このため,AX6300Sシリーズは数Gビット/秒のLANポートを安価にたくさん使いたい企業に向く。アラクサラでは,例えば1Gビット/秒のLANポートを搭載したサーバーやハイエンドPC数台を,10Gビット/秒のLANポートの配下に接続する用途などを想定している。「現状,サーバー機が10Gビット/秒を必要とする処理性能を持たないため,こうした用途にニーズがあると見ている」(林剛久CTO)。フルレートで動作可能なAX6700Sシリーズは,通信事業者にも向くという。

 AX6700Sシリーズは「A6708S」,AX6300Sシリーズは「AX6308S」と「AX6304S」を用意した。最小構成時の販売価格は,それぞれ733万9500円,576万4500円,521万8500円。出荷開始は,AX6300Sシリーズの2モデルが11月1日,A6708Sが2007年1月5日。代理店の1社である日立製作所が,同製品の販売開始を発表済み。