千葉県立一宮商業高等学校 電算部の「ぽたり de アート」
千葉県立一宮商業高等学校 電算部の「ぽたり de アート」
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千葉県立一宮商業高等学校 電算部
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岩手県立水沢高等学校 理数科3年 高橋平氏のプログラム言語「Spinel」
岩手県立水沢高等学校 理数科3年 高橋平氏のプログラム言語「Spinel」
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岩手県立水沢高等学校 理数科3年の高橋平氏
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静岡理工科大学 沼津情報専門学校 Convの「Net.SimSim」
静岡理工科大学 沼津情報専門学校 Convの「Net.SimSim」
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名古屋市立高針台中学校 2年 森田陸離氏の「Atomoo」
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沼津情報専門学校 マルチメディア科 Team Imaginationの「わーどでぃれいしょん」
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新潟コンピュータ専門学校 ゲームシステム科 一本目ソフトウェアの「ケータイ菜園」
新潟コンピュータ専門学校 ゲームシステム科 一本目ソフトウェアの「ケータイ菜園」
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岐阜県立岐阜商業高等学校 情報処理科 EDP部の「AT HOME CHILD」
岐阜県立岐阜商業高等学校 情報処理科 EDP部の「AT HOME CHILD」
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福島県立平工業高等学校 情報技術科1年 円谷光兵氏の「Cube3(Cube neo)」
福島県立平工業高等学校 情報技術科1年 円谷光兵氏の「Cube3(Cube neo)」
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名古屋工業大学 情報工学科2年 松尾優氏の「block! block!」
名古屋工業大学 情報工学科2年 松尾優氏の「block! block!」
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 経済産業省は9月13日,「U-20プログラミング・コンテスト」の審査結果を発表した。団体部門の最優秀賞には千葉県立一宮商業高等学校 電算部が作成した,曇りガラスに文字や絵を描くソフト「ぽたり de アート」,個人部門の最優秀賞には岩手県立水沢高等学校 理数科3年の高橋平氏が作成したプログラム言語「Spinel」が選ばれた。入賞作品の中には中学2年生の作品や,女性だけのグループによる作品も見られた。

 U-20プログラミング・コンテストは,経産省,情報化月間推進会議が主催しているコンテスト。20歳以下であれば誰でも応募できる。

温度と湿度で曇り方が変わり,水滴はレンズに

 「ぽたりde アート」は,曇りガラスに指で絵や字を書くという発想のユニークさとともに,そのこだわりと,こだわりを形にしたプログラミング技術が評価された。最初に透明だった窓は,時間がたつと曇って白くなってくるが,その曇り方は,設定された室内と室外の気温差によって変化する。指で書いた跡などからは水滴がたれる。残った水滴をよく見ると,水滴がレンズとなり窓のむこうの景色が逆さに映っている,という凝りようだ。作成したのは千葉県立一宮商業高等学校 電算部 情報処理科3年の佐藤元気氏,田中真純氏,上林千音氏,中村直翔氏,石井健太氏,権田拓也氏,大浦雄祐氏である。

プログラミング言語で2年連続入賞

 「Spinel」は,オブジェクト指向プログラミング言語とその開発・実行環境である。「Spinel」を作成した高橋平氏は,昨年のU-20プログラミング・コンテストでもプログラム言語「Frontier」で優秀賞に選ばれている。「Spinel」は新たに作り直した。プログラミング言語という難易度の高いテーマに挑戦し,それを一人で作り上げ進化させたことが評価された。

 団体部門の優秀賞には,静岡理工科大学 沼津情報専門学校のグループ「Conv(こんぶ)」の,コンピュータ科2年 平川裕多氏と古井沙季氏が作成した「Net.SimSim(ねっとしむしむ)」が選ばれた。LANをシミュレートし,IPによる通信の模様を再現する。ネットワークの学習にも利用できる実用性の高さが評価された。

 個人部門の優秀賞には,名古屋市立高針台中学校 2年の森田陸離氏が作成した「Atomoo(えいとむー)」が選ばれた。元素の周期表を覚えるためのソフトで,元素のデータをXML化するなど最新技術に挑戦する姿勢が評価された。

都道府県名でパズル,携帯電話で花を育成

 このほか団体部門では,以下の作品が入賞した。

 静岡理工科大学 沼津情報専門学校 マルチメディア科の「Team Imagination」の作品「わーどでぃれいしょん」は,文字が書かれたブロックを,都道府県名,県庁所在地などのテーマに含まれる言葉を選び消していくパズル・ゲーム。面白いだけでなく,道府県名であればヒントとして地図や特産物などを表示できるなど,学習にも使える点が評価された。

 新潟総合学院新潟コンピュータ専門学校 ゲームシステム科3年のグループ「一本目ソフトウェア」の作品「ケータイ菜園」は,携帯電話上で花を育てるゲーム。花同士を交配させることもでき,育てた花は待ち受け画面にもなる。

 岐阜県立岐阜商業高等学校 EDP部が作成した「AT HOME CHILD」は,留守番する子供が,買い物や料理をしながら母親の帰りを待つゲーム。画面の美しさや丁寧な作りこみが高評価を得た。 情報処理科3年生の女性7人による作品だ。

 個人部門の入選作は以下の作品。

 東海高等学校2年伊藤康人氏の「Future Network Communicator」はチャット・プログラム。お絵かきチャットや対戦ゲームも可能で,プラグイン方式で新たな機能を追加できるとようにするなどの技術力が評価された。

 福島県立平工業高等学校 情報技術科1年の円谷光兵氏が作成した「Cube3(Cube neo)」は,シンプルなアクション・ゲームだが,仕掛けや画面構成,多彩な敵の動きの作りこみが評価された。

 名古屋工業大学 情報工学科2年 松尾優氏の作品「block! block!」は画面効果を追求したブロック崩しゲーム。ブロックを崩すと表示される炎や花びらをモチーフにした特殊効果などが評価された。

 審査委員長は多摩美術大学メディアセンター所長 石田晴久氏。ほかに,Ruby開発者でネットワーク応用通信研究所のまつもとゆきひろ氏,独立行政法人産業技術総合研究所の新部裕氏,ミラクル・リナックスの吉岡弘隆氏,尚美学園大学の小泉力一,WideStudio/MWTプロジェクトの富士通 平林俊一氏,東北芸術工科大学 西村宜起氏,岐阜県立国際情報科学芸術アカデミー 古堅真彦氏,財団法人 日本情報処理開発協会 浅井宗海氏が審査委員を務めた。10月2日の情報化月間記念式典で発表会と入選作品のデモンストレーションを行う。

【訂正】
掲載当初「個人部門の優秀賞は(略)森田陸氏」としておりましたが,正しくは「森田陸離氏」です。お詫びして訂正いたします。(2006年9月19日)

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