写真1 9月13日に開催された,IP懇談会の最終会合の様子
写真1 9月13日に開催された,IP懇談会の最終会合の様子
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 総務省は9月13日,「IP化の進展に対応した競争ルールの在り方に関する懇談会」(IP懇談会)の最終会合を開催した(写真1)。主な議題は,8月23日までのパブリック・コメントで出た意見をふまえ一部修正を加えた報告書案の最終確認である。

 IP懇談会の報告書案「IP化の進展に対応した競争ルールの在り方について -新競争促進プログラム2010-」は,7月14日に公開された。IP化の進展に対応した競争政策,今後の接続政策の在り方,料金政策の在り方,NTTの次世代ネットワーク(NGN)構築に係る環境整備の在り方,ネットワークの中立性の確保の在り方などで構成されている。

 報告書案では,骨格となる九つの論点についてロードマップ化されており,(1)設備競争の促進,(2)指定電気通信設備制度の見直し,(3)東西NTTの接続料の算定方法の見直し,(4)移動通信市場における競争促進,(5)料金政策の見直し,(6)ユニバーサルサービス制度の見直し,(7)ネットワークの中立性原則の検討,(8)紛争処理機能の強化,(9)市場退出ルールの見直し――の項目について,ガイドラインの作成や検討の場を設置することなどが目標時期とともに明記されている。

 報告書案に関しては,8月23日までパブリック・コメントの募集が行われ,計44件の意見が提出された。これらの意見をふまえて報告書案は修正されたが,大枠の構成は変わらず,文言の定義を明確化するための修正や脚注の追加が行われるだけにとどまった。そのため,7月14日の報告書案がほぼ最終報告書となった。

 最終会合における報告書案についての議論では,「こうした新たな競争ルールの整備がユーザーにとってどういう影響があるのか,ユーザーから見るとどういう利便性が得られるのかといった,ユーザー側からの意見反映が少なかった」という意見が,複数の委員から出た。しかし,特にこれ以上の変更を加えなければならない意見は出なかったため,このまま報告書が確定した。今後,この最終報告書に従って,論点ごとの検討会が数多く発足する予定だ。