図1 今後のWindows Vistaのリリーススケジュール。2006年11月には企業向け製品、2007年1月には個人向け製品を出荷の予定
図1 今後のWindows Vistaのリリーススケジュール。2006年11月には企業向け製品、2007年1月には個人向け製品を出荷の予定
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図2 マイクロソフト Windows本部 本部長のジェイ・ジェイミソン氏
図2 マイクロソフト Windows本部 本部長のジェイ・ジェイミソン氏
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図3 Windows Vistaのベータ2版のコントロールパネル
図3 Windows Vistaのベータ2版のコントロールパネル
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図4 RC1でのコントロールパネル。図3と比べて、「ネットワーク一覧」などのアイコンがなくなるなど、アイコンの数やデザインが微妙に変わっている
図4 RC1でのコントロールパネル。図3と比べて、「ネットワーク一覧」などのアイコンがなくなるなど、アイコンの数やデザインが微妙に変わっている
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図5 Vistaの新機能「ガイドヘルプ」。ユーザーがヘルプで検索した内容について、操作を順を追って解説、あるいは実行してくれる。図はインターネットの履歴を消去するために、ヘルプで「Internet」「Delete」と検索したところ。「自動的に行う」を選ぶと必要な操作がすべて自動で実行される
図5 Vistaの新機能「ガイドヘルプ」。ユーザーがヘルプで検索した内容について、操作を順を追って解説、あるいは実行してくれる。図はインターネットの履歴を消去するために、ヘルプで「Internet」「Delete」と検索したところ。「自動的に行う」を選ぶと必要な操作がすべて自動で実行される
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図6 図5で「手順で表示」を選ぶと、ユーザーがヘルプで検索した作業の操作方法を「ガイドヘルプ」が順に紹介する。デスクトップ上で操作すべき場所だけが明るくなり、方位磁石のような画面が手順を表示する
図6 図5で「手順で表示」を選ぶと、ユーザーがヘルプで検索した作業の操作方法を「ガイドヘルプ」が順に紹介する。デスクトップ上で操作すべき場所だけが明るくなり、方位磁石のような画面が手順を表示する
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 マイクロソフトは2006年9月12日、Windows Vista RC(リリース候補版)1についての報道関係者向け説明会を開催した。説明会ではベータ2版からの変更点や、今後のスケジュールなどを紹介した。

 RC1はベータ2版に比べて、動作の安定性やパフォーマンスが大幅に改善されているという。同社はRC1を「開発やテストの最終段階」と位置付け、パートナー各社やITプロフェッショナル、パソコンの操作に習熟した個人ユーザーに対して、RC1のテストに参加するよう呼びかけた。

 RC1はすでに9月6日から、「カスタマープレビュープログラム」(CPP:Customer Preview Program)の登録ユーザー向けに公開が始まっている。現在、ベータ2版の公開時にCPPに登録したユーザーに対して、順次ダウンロード用WebサイトのURLや作業手順などを掲載したメールが送信されているところだ。CPPなどに登録しているユーザー数は全世界で150万件、日本では8万5000件。近日中にはCPPの新規受付を開始し、全世界で新たに150万本のRC1コピーを配布する予定だという。さらに、Webサイトからの提供に加えてDVDの送付(有償で1260円)や、一部のパソコン専門誌へのDVD添付による配布も行う方針だ。

 今後、RTM(製造工程向け)版の公開を経て、2006年11月には企業向け製品、2007年1月には個人向け製品の提供を開始する(図1)。これまでVistaの開発スケジュールはたびたび延期されており、報道陣からは「本当に11月に提供が始まるのか」との質問が出たが、同社 Windows本部のジェイ・ジェイミソン本部長(図2)は「今のところ予定通りのスケジュールで開発が進んでいる」と答えた。

 RC1ではシステムの安定性やパフォーマンスの向上以外に、ベータ2版で明らかになった不具合の修正などさまざまな改善が施されている。Windows本部 ビジネスWindows製品部の飯島圭一シニアプロダクトマネージャによれば、「Internet Explorer 7で特定の検索エンジンを利用したときに文字化けが起こる、などの不具合を修正した」。「保護者による制限」機能が初期状態で有効になる、ハードディスクの暗号化機能である「BitLockerドライブ暗号化」でより安全性を高めるため、セキュリティチップの利用をユーザーに推奨する、など設定が変わった部分もある。最もユーザーからフィードバックが多かった「ユーザーアカウント制御」に関しては、警告画面が出るタイミングを見直した。さらにデバイスドライバーを大幅に追加。RC1では初期状態で1万8000のデバイスドライバーが搭載されているという。Windowsの各種アイコンやユーザーインタフェースにも変更が加わっている(図3、4)。

 新しい機能として、ユーザーがヘルプで検索した操作の手順を逐一紹介する「ガイドヘルプ」(図5、6)などが紹介された。ユーザーからマイクロソフトへの問い合わせが多かった操作があらかじめガイドヘルプとして登録されている。ガイドヘルプの登録件数はインターネット経由で増やしていく予定だ。

 さらに、パソコンのCPU、ハードディスク、メモリーなどをどんなプログラムが利用しているか確認できる「パフォーマンスモニタ」や、システムの安定性に関する動作の履歴を取得する「信頼性モニタ」も搭載されている。例えばパソコンが不調に陥ったときに「信頼性モニタ」を確認すれば、原因を割り出すのに役立つというわけだ。

 なお、米国ではすでにVistaの各エディションの価格が公開されているが、日本語版に関してはまだ未定だという。