米Microsoftは次期クライアントOS「Windows Vista」で,“Editionアップグレード”をサポートすることを検討中だ。ここでいうEditionアップグレードとは,安価な低機能版から,高価な高機能版へのアップグレード・パスのことである。

 Windows Vistaは,(1)全機能を使用できるパワー・ユーザー向けの「Ultimate」(米国では399ドル),(2)企業ユーザー向けの「Business」(同299ドル),(3)家庭ユーザー向けの高機能版「Home Premium」(同239ドル),(4)家庭ユーザー向けの基本版「Home Basic」(199ドル)などのEdition(パッケージ)で提供される予定。各Editionに実行ファイルの違いなどはなく,インストール時に利用者に入力してもらうライセンス・キーだけが異なる。つまり,ライセンス・キーの違いによって,どのEditionとして機能するかが決まる仕組みである。

 そこで,「Home BasicからHome Premiumへのアップグレードというような“Editionアップグレード”を実現する方向で調整中」(マイクロソフト Windows本部 ビジネスWindows製品部 マネージャ 中川哲氏)という。現在のところ,「利用者にライセンス・キーを再入力してもらい不足機能を追加インストールする方法」と「利用者に上書きインストールしてもらう方法」のどちらかになる可能性がある。マイクロソフトは過去,「Windows XP Home Edition」から「Windows XP Professional」へのEditionアップグレードをサポートした実績があるが,このときは期間限定で追加パッケージ(「Microsoft Windows XP ステップアップグレード」)を購入する形態だった。

 Windows Vistaは,企業向けには2006年11月に,一般顧客向けには2007年1月に販売を開始する予定で,9月1日に出荷候補版(Release Candidate 1)の提供が開始された。日本におけるパッケージの価格や,Editionアップグレードの価格などは「近日中に公開したい」(中川氏)という。