イレブンアップの片山崇代表取締役社長
イレブンアップの片山崇代表取締役社長
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 オンライン・ゲームを提供するソフトバンク・グループのイレブンアップは、今後提供していく仮想空間やゴルフ・ゲームのシステム基盤をブレード・サーバーで構築した。同社の片山崇代表取締役社長(写真)と、技術面で支援しているモビーダ・ソリューションズの経営企画室事業企画グループ植草学部長に、システム構築の方針について聞いた。

 片山社長はオンライン・ゲームのシステム構築の難しさとして「短期間にユーザー数が急激に増えたり、昼夜で利用するユーザー数にバラツキがある」といったことを挙げる。処理性能の見積もりが難しく、利用が多い夜間の負荷に合わせてサーバーを導入すると、昼間はサーバーのリソースが余ってしまうからだ。

 これに対して「今後は従来のゲームに比べて、昼間と夜間で利用者の数や処理量の差を少なく抑えようと思う。例えば、主婦や昼休みの会社員などの利用が比較的多いようなゲームを提供し、そうした層に売り込みたい」(片山社長)といったサービス面での平準化を図ると言う。ゲームによっては10倍以上の差があるのが、「ピークとオフタイムの差を2、3倍程度に抑えたい」(同)としている。

 技術面では、電力も含めた効率面でのアプローチもある。「サーバーの仮想化技術やグリッド技術を導入することで、運用を効率化することも可能」(植草部長)と言う。例えば、昼間はサーバーを集約して余ったサーバーは停止し、電源を節約するといったことだ。「具体的な内容まで詰めているわけではないが、こうした効率化も必要となってくる」(片山社長)。

 サーバーの導入規模については、「何千ものキャラクタを仮想的に生成し、ロボットのように実際に動かす」(植草部長)といった作業で見積中。新しいシステムは、「オンライン・ゲームのシステム構築のノウハウを持っている」(片山社長)ことから日立製作所と連携して構築しており、ブレード型のサーバーは日立の「BladeSymphony」を採用した。構成としては、Webサーバーを中心としたフロントと、課金やデータベース・サーバーを中心としたバックエンドの2段。それぞれの層で、一定の割合で1台のブレードをバックアップに用意する「N+1」の構成としている。