グリーンチェック機能の画面。すべての修正プログラムが適用されているため、緑のチェックマークが表示されている
グリーンチェック機能の画面。すべての修正プログラムが適用されているため、緑のチェックマークが表示されている
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問題がある場合は緑ではなく、赤や黄色のマークが表示される。問題点を、システムインテグレーターに自動的に通知する機能もある
問題がある場合は緑ではなく、赤や黄色のマークが表示される。問題点を、システムインテグレーターに自動的に通知する機能もある
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 マイクロソフトは2006年9月11日、中小企業向けサーバー製品「Windows Small Business Server 2003 R2」の日本語版を、2006年9月15日に出荷すると発表した。最大の特徴は、セキュリティ関連の修正プログラムの配布や適用状況の管理などを分かりやすく操作できる「グリーンチェック」機能を新規に搭載したこと。推定小売価格(税別)は、基本機能を備える「Standard Edition」は11万円、データベースエンジンを搭載する「Premium Edition」は23万8000円。Premium Editionは、現行版である「Windows Small Business Server 2003 SP1」よりも13%安価な価格での提供となる。

 Small Business Server(SBS)は、「中小規模企業のための“1台目”のWindows Server」(サーバープラットフォームビジネス部 プロダクトグループ Windows Server製品部の浅野智シニアプロダクトマネージャ)。Windows Server 2003の技術をベースに、共有FAXサービスや電子メール、グループウエアやバックアップなど、中小企業で必要とされる機能をパッケージ化した製品だ。

 ただ中小企業にはITの専門家がいない場合も多く、サーバーの管理は困難な作業。特に最近は「個人情報保護法や会社法の改正などで、セキュリティの重要性が認識されてきている。セキュリティの問題が不安で、IT化に踏み切れない企業も少なくない」(浅野氏)。そこで今回はグリーンチェック機能を新たに用意し、マイクロソフトが提供する修正プログラムの適用状況を視覚的に確認したり、クライアントへの更新プログラムの配布スケジュールを簡単に設定できるようにした。すべて最新の状態になっていれば緑のチェックマーク、問題がある場合は警告メッセージとともに黄色や赤のマークが表示される。システム構築を担当したシステムインテグレーターに問題点をメールで自動的に知らせる機能もあるため、専門家が迅速に現場に駆けつけることも可能だ。

 このほかの変更点としては、Premium Editionに搭載するデータベースエンジンが最新の「SQL Server 2005 Workgroup Edition」になること、メールボックスのサイズ制限を16GBから75GBに拡大することなどが主な点。価格面では、Premium Editionを13%値下げするほか、クライアントアクセスライセンス(CAL)の利用権限を拡張する。SBS 2003 R2と同一ネットワーク上にあるサーバー(Exchange Server 2003、SQL Server 2005 Workgroup Edition、Windows Server)なら、CALを追加購入することなくアクセスできるようになる。

 なおSBSは、次版の開発も進んでいる。2007年の末までに、Windows Serverの次版「Windows Server Longhorn」(開発コード名)をベースとした「Cougar」(開発コード名)が登場する見込みだ。