Mozilla Japan,アルゴ21,三菱総合研究所は9月11日,Internet Explorer(IE)に特化したコンテンツをFirefoxで正しく表示させるサービス「TouchUpWebサービス」を開始した。独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)の「2005年度下期オープンソースソフトウェア活用基盤整備事業」として採択された「ウェブコンテンツの相互運用性を改善するフィルタリングサーバの開発」プロジェクトで開発されたもの。

 TouchUpWebサービスは,IEに最適化されているため,Firefoxで閲覧すると文書のレイアウトが崩れる,コンテンツの表現が変わってしまう,リストやボタンの動作が異なる,システムとして正しく動作しないといった問題があるコンテンツを正しく表示できるようにするためのサービス。これまでベータ版として公開されていたが,このほど正式にサービスが開始された。

 動作原理は以下のとおり。ユーザーはFirefoxに「TouchUpWeb拡張機能」をインストールする。TouchUpWeb拡張機能はgreasemonkey拡張機能を利用している。正しく表示されないコンテンツにアクセスした場合,ユーザーはブラウザのTouchUpWebアイコンをクリック,TouchUpWebサーバーに対し問合せを実行する。コンテンツに対応した修正情報(スクリプト)がTouchUpWebサーバーに登録してあれば,そのスクリプトがダウンロードされ,コンテンツが正しく表示されるようになる。

 TouchUpWeb拡張機能はTouchUpWebプロジェクトの公式サイトなどから無償でダウンロードして利用できる。またTouchUpWeb拡張機能とTouchUpWebサーバーのプログラムはオープンソース・ソフトウエアとしてソースコードも公開されている。

 TouchUpWebでは,様々な問題に対し個別のTouchUpスクリプトを用意する必要がある。そのため,TouchUpWebプロジェクトでは「バザール型の開発体制を構築し,幅広い開発者の参加を期待している」。開発者が参加しやすいよう,スクリプト開発者のための問題管理サーバーを公開するなど環境の整備を進めている。