福井県敦賀市に本社を置くケーブルテレビ事業者である嶺南ケーブルネットワークとフジクラは9月8日,モバイルWiMAX(IEEE 802.16e)の実証実験のため,総務省に実験局免許を申請したと発表した。実験開始は免許取得後になるが,2006年11月から2007年10月までの1年間を予定しているとする。

 実験は,2.5GHz帯の周波数に対応した基地局を敦賀市内に3基設置して行う。電波の伝搬特性や移動特性,ハンドオーバー特性の確認といった技術面の評価に加え,商用サービスを想定したアプリケーションの動作確認も実施する。「高速なインターネット接続に加えて,子供見守りシステムやコミュニティ・バスの運行状況を確認するシステムなどに活用したいと考えている」(嶺南ケーブルネットワーク)。

 実験で利用する機器は,中国のファーウェイ・テクノロジーズ製のものを採用。フジクラが実験システムの構築サポートを担当する。

 今回申請した2.5GHz帯は,モバイルWiMAXなど無線ブロードバンド向けの周波数として割り当てる方向で,総務省が検討を進めている(関連記事)。嶺南ケーブルネットワークは,「実験用に構築したシステムを,できればそのまま商用化したい。2.5GHz帯の商用サービス向けの割り当ても狙うつもりだ」としている。