トレンドマイクロは9月7日,8月のウイルス報告件数や傾向などを公表した。それによると,報告件数が最も多かったのはスパイウエア「SPYW_GATOR(ゲーター)」。ウイルス(不正プログラム)の最近の傾向としては,不特定多数を狙う従来の「マス型」から,特定の相手を狙う「スピア型」にシフトしているという。

 8月中,同社のサポートセンターに寄せられた報告や相談が多かったウイルスは以下のとおり。

  1. SPYW_GATOR(スパイウエア)  201件
  2. TROJ_AGENT(トロイの木馬型)  180件
  3. WORM_RBOT(ワーム型)  145件
  4. TROJ_SMALL(トロイの木馬型)  100件
  5. JAVA_BYETVER(その他)  95件
  6. ADW_WEBSEARCH(アドウエア)  87件
  7. ADW_SHOPNAV(アドウエア)  72件
  8. TROJ_SDSCAN.A(トロイの木馬型)  64件
  9. ADW_CMDDSKTOP.A(アドウエア)  56件
  10. ADW_WINFIXER(アドウエア)  54件

 SPYW_GATORの報告件数が201件で最も多かった。SPYW_GATORは2006年10月以降“首位”をキープしている(関連記事:『ゲーター』の報告件数が10カ月連続でトップ)。8月の総報告数は8393件で,7月の7328件よりも1000件以上増えている。

 最近のウイルスの傾向としては,特定のターゲットを狙った,いわゆるスピア型が増えているという。その一例として,8月に出現した「一太郎」のセキュリティ・ホールを悪用する「TROJ_MDROPPER.BL」を挙げる(関連記事:一太郎を狙うゼロデイ・アタック)。同社によれば,Microsoft Officeなどのセキュリティホールを突くウイルスは多数出現しているが,一太郎が狙われたのは初めであるという。

 この例のように,利用地域が比較的限定されているソフトも標的になりうるのが現状なので,どのようなソフトやOSを使っている場合でも,十分注意するよう呼びかけている。

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