NTTデータは9月7日,同社の内線電話システムを全面刷新し,IP電話1万5000台の大規模内線電話システム「統合IP電話システム」を構築したと発表した。内線,外線ともにすべてIP化し,1人1番号とする。IP電話導入に合わせて,一部の拠点ではフリーアドレスも取り入れた。

 全社運用をスタートした9月1日時点でのIP電話の内訳は,無線IP電話が700台,ソフトフォンが3500台,固定IP電話が3300台の計7500台。2007年2月には,無線IP電話1500台,ソフトフォン7000台,固定IP電話6500台の合計1万5000台に達する見込みだ。

 同社のIP電話システムの最大の特徴は,無線区間における音声通信とデータ通信を統合した点。音声用途ではIEEE 802.11b,データ通信では同一周波数帯のIEEE 802.11gを使い,同一チャネルを利用する。ビル内に設置する無線LANアクセス・ポイント(AP)は1000台と,大阪ガスの約700台を超える国内最大規模である。無線LAN APやそれを集中管理する無線LANスイッチは,米アルバワイヤレスネットワークス製を採用。無線IP電話は,NTTドコモのFOMA/無線LANデュアル端末「N900iL」と日立電線の「WirelessIP 5000」の2種類を使う。

 このほか,「在席中70%」「外出中90%」などと天気予報のように在席率を判定するプレゼンス製品を社内に導入した。転送やピックアップ・グループなどの設定は,専門の保守業者を頼らず,社員や部門管理者自らが行えるなどの特徴を持つ。

 NTTデータが内線電話の刷新を決めたのは2005年1月。高額な通信費の抑制や老朽化したPBX(構内交換機)の撤廃などが目的だったとしている。