写真●Delphi for .NET Explorerの動作画面
写真●Delphi for .NET Explorerの動作画面
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 ボーランドは2006年9月6日,Windows/.NETアプリケーション開発ツールの新版,4製品「Turbo Delphi」「Turbo Delphi for .NET」「Turbo C++」「Turbo C#」を発表した。米Borland Softwareが8月8日に発表した製品の日本語版である。4製品それぞれに,有償版の「Professional」エディションと,機能を制限した代わりに無償の「Explorer」エディションを用意する。有償版の価格は4万1895円で,出荷開始は2006年9月19日。また,従来版からの乗り換え価格(2万9400円)や,アカデミック・ライセンス(8000円)も用意する(価格はすべて税込)。無償版は9月5日(米国時間)からhttp://www.turboexplorer.com/jp/でダウンロードできる。

 米Boland SoftwareのVice PresidentであるDavid Intersimone(通称David I)氏は本誌単独のインタビューで,これらの4製品に無償版を用意した理由を「学生,趣味プログラマ,プログラミングが専業でないプロのプログラマ,個人のプログラマ――などのプログラミング・スキルを習得したい人たち,あるいはスキルを習得しながら,すばやく結果が欲しい人たちを支援するため」と語った。

 無償版の機能制限は,独自に作成したカスタム・コンポーネントやサード・パーティのコンポーネントなどが利用できないこと。また有償版の「Professional」版では,同一のコンピュータで同時に一つの言語しか利用できない。複数の言語を同時に利用するには,上位版にあたる「Borland Developer Studio Professional」(すでに発表済み)などを導入する必要がある。これらの制限を設けたことについてDavid I氏は,「(制限は)マーケティング的な必要性によるものだが,(無償版の)Explorerでも約200のコンポーネントを利用した十分リッチな開発ができる。商用利用も可能。また,複数の言語を同時に利用できないことは,学ぶことに関しては集中しやすい」と述べた。

 編集部で実際にTurbo Delphi .NETの日本語版をダウンロードし,インストールしてみた(写真)。見た目は従来のBorland製品や一般的なIDE(統合開発環境)と変わらず,迷うことなく使えそうな印象だ。動作も極端に重いということはない。特にDelphiでの開発の経験があるプログラマにとっては,コンポーネント名や言語の文法など慣れ親しんだ環境で,ターゲットに .NETを含めた開発が可能になったことは朗報だろう。