米Boland SoftwareのVice PresidentであるDavid Intersimone(通称David I)氏は本誌単独のインタビューで,これらの4製品に無償版を用意した理由を「学生,趣味プログラマ,プログラミングが専業でないプロのプログラマ,個人のプログラマ――などのプログラミング・スキルを習得したい人たち,あるいはスキルを習得しながら,すばやく結果が欲しい人たちを支援するため」と語った。
無償版の機能制限は,独自に作成したカスタム・コンポーネントやサード・パーティのコンポーネントなどが利用できないこと。また有償版の「Professional」版では,同一のコンピュータで同時に一つの言語しか利用できない。複数の言語を同時に利用するには,上位版にあたる「Borland Developer Studio Professional」(すでに発表済み)などを導入する必要がある。これらの制限を設けたことについてDavid I氏は,「(制限は)マーケティング的な必要性によるものだが,(無償版の)Explorerでも約200のコンポーネントを利用した十分リッチな開発ができる。商用利用も可能。また,複数の言語を同時に利用できないことは,学ぶことに関しては集中しやすい」と述べた。
編集部で実際にTurbo Delphi .NETの日本語版をダウンロードし,インストールしてみた(写真)。見た目は従来のBorland製品や一般的なIDE(統合開発環境)と変わらず,迷うことなく使えそうな印象だ。動作も極端に重いということはない。特にDelphiでの開発の経験があるプログラマにとっては,コンポーネント名や言語の文法など慣れ親しんだ環境で,ターゲットに .NETを含めた開発が可能になったことは朗報だろう。