日本ヒューレット・パッカードは2006年10月1日から,資産管理ソフトや業務性能管理ソフト4製品をOpenView系列で順次出荷する。他社製の運用管理ソフトが混在する環境で,運用管理標準ITIL(Information Technology Infrastructure Library)に準拠した管理を行う。

 具体的には,以下の4製品を出荷する。(1)「OpenView Service Desk 5.1」は,ヘルプ・デスク業務で扱う個々のインシデント(問い合わせなど)のワークフローを管理するソフトの新版。ITILに基づくIT資産の構成管理データベース「CMDB」を搭載する。他の運用管理ソフトと連携するインタフェースを備え,Service Deskのインタフェース経由でCMDBが管理するIT資産の構成情報を共有できるようにしている。

 (2)「同AssetCenter 5.0」は,アセット(資産)管理ソフトの新版。米Hewlett-Packardが買収した米Peregrine Systemsの製品である。現在どういった資産があるかだけでなく,資産の調達や償却といったファイナンス(会計)関連情報を扱うことによって,資産のライフサイクルを管理する。Service Deskと連携することで,資産の移動や障害といったヘルプ・デスク関連業務とヒモ付けた資産管理ができる。AssetCenterが管理する資産関連情報は,他のソフトからSOAP経由でアクセスできる。

 (3)「同Enterprise Discovery 2.1」は,IT資産を発見してインベントリ情報を収集する専用ソフト。元となる製品は,米Peregrine Systems製である。Enterprise Discoveryが収集した最新のインベントリ情報を,Service Deskが持つCMDBへと反映させる運用が可能である。既存のインベントリ管理/ソフトウエア配布ソフトと連携することで,Enterprise Discoveryのインベントリ情報をベースにソフトウエアの配布を実施できる。

 (4)「同DecisionCenter 1.0」は,業務プロセスのパフォーマンス管理ソフト。しきい値と監視値との差を管理するSLM(サービス・レベル管理)機能をベースに,業務プロセスに変更を加えた場合にどんなインパクト(影響)が及ぶかをシミュレーションする機能を持つ。

 4製品の販売開始時期と価格は以下の通り。Service Desk 5.1は,2006年11月1日に販売開始,価格は707万4900円から。AssetCenter 5.0は,同年12月1日に販売開始,価格は282万9750円から。Enterprise Discovery 2.1は,同年10月1日に販売開始,価格は44万3100円から。DecisionCenter 1.0は,同年12月1日に販売開始,価格は2100万円から。

 HPでは今後の開発方針として「将来的には,仮想化されたプラットフォームを使い,ポリシーに基づいて動的にITリソースを配置できる製品を提供していく」(ソフトウェア統括本部ソフトウェア・マーケティング部ITSMスペシャリストの松木仁氏)としている。