NECは9月6日、企業向けセキュリティソフト「InfoCageシリーズ」の新版5製品を11月から順次出荷すると発表した。新シリーズの特徴はサーバーの情報漏洩対策やクライアントの対策、ネットワークの対策の各機能を統合したこと。NECの岡田高行執行役員 兼 システムソフトウェア事業本部長は、「これまで個別に提供してきた機能を連携させることで、より強固なセキュリティレベルを実現できる」と語る。

 5つの新製品は、クライアントPCの暗号化や認証を行う「Clientシリーズ」、ファイル単位の暗号化やフォルダ単位の認証機能を備える「Fileシリーズ」、サーバーからのデータ移動を制限する「Serverシリーズ」。そして、持ち込みPCを禁止するなどネットワーク管理のための「Networkシリーズ」と、InfoCage各製品の管理情報を一元管理する「Managementシリーズ」である。

 ClientとFile、Serverは既存製品の新版だが、NetworkとManagementについては同社製の検疫ネットワークソフト「CapsSuite」を機能強化して、InfoCageに統合する。出荷時期はClientが今年11月、Fileが来年3月、残りの3製品は来年上半期の出荷になる。

 価格は、Clientシリーズが100ユーザーの場合で216万円から。他製品の価格は未定。現在、InfoCageシリーズの売り上げは年間50億円程度だが、今年度には100億円、今後3年間で600億円という販売目標を掲げている。

 そのため、セキュリティ担当の技術者を60人から2008年3月末までに300人体制に順次増強していく。「抜けや漏れのないセキュリティソリューションをユーザー企業に提案するには、製品の枠を超えたコンサルティング能力を持った技術者が必要になる」(岡田執行役員)からだ。300人は営業支援技術者として全国の拠点に配置し、パートナー商談を含めたユーザー企業への提案、導入を支援する。

 さらに複合機とも連携できるため、電子化した紙文書のトレーサビリティを実現するといった使い方を中小企業向けにも提案していく。紙文書の管理をキーとしたシステム導入を促進するために、事務用品メーカーや複合機メーカーとの提携を強化するという。