デジタルラジオ放送が受信できる初の製品、ピクセラ「Prodia」。まずは評価用に限定100台でラジオ局などに販売する
デジタルラジオ放送が受信できる初の製品、ピクセラ「Prodia」。まずは評価用に限定100台でラジオ局などに販売する
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 ピクセラは2006年9月中旬にも、デジタルラジオ放送に対応した受信機「Prodia」の販売を始める。デジタルラジオは、音声がCD並みに高音質であることに加え、文字や写真、簡易動画も同時に送信できる次世代のラジオ放送。2003年10月に試験放送が始まり、早ければ2007年にも本放送が始まる見込みである。

 デジタルラジオ受信機を発売するのは同社が初めて。ただし、台数は100台限定としている。ピクセラは本製品はラジオ局や番組制作会社向けの評価用製品として位置付けており、当面一般ユーザーには販売しない。価格は15万円で、ワンセグ放送や現行のFMラジオ放送を受信することもできる。

 Prodiaを一般ユーザーに販売しない理由についてピクセラは、「本放送までに放送の規格が変更になる可能性が高いため」と説明する。試験放送中のデジタルラジオは、規格がまだ完全に決まっておらず、放送局側も試行錯誤を繰り返している段階。製品出荷後、規格変更に合わせるためにファームウエアをひんぱんにアップデートする事態が想定されるため、限定的な販売にとどめた。「ファームウエア変更を含むサポートや保守などに対応するため15万円という価格に設定せざるをえなかった。量産を開始すれば、もっと安価に提供できる」とする。同社は、本放送のメドが立った段階で一般ユーザー向けにも販売を始めたいとしている。

 Prodiaの大きさは幅55×高さ136.5×厚み25.5mmで、重さは約150g。文字や写真、簡易動画を再生するための2.17型カラー液晶ディスプレイを備える。スピーカーは内蔵しないため、音声はヘッドホンをつないで聞くことになる。3時間の充電で、約3時間の連続受信が可能。

 ピクセラは、自社開発した地デジチューナーと関連ソフトを自社で開発しており、ソニーやシャープ、富士通など大手パソコンメーカーに提供している。ピクセラとしては、将来、Prodiaで得た技術を転用して小型のデジタルラジオ対応チューナーを開発し、パソコンメーカーや家電メーカーに提供したいとしている。