「会議でホワイトボードなどに図や文字を書きながら説明することの有効性は、ビジネス・ユーザーなら分かるはず。だから企業向けのWindows Vistaには、タブレット機能を統合した」。マイクロソフトで企業向けのWindowsマーケティングを担当する飯島圭一シニアプロダクトマネージャは、こうアピールする。

 Windows Vistaの計7つのエディションのうち、家庭向けの「Home Basic」を除くすべてのエディションがタブレット機能を備える。外付けのペンタブレットをUSBなどでVista搭載パソコンに接続すると、追加ソフトを使わなくても、ペンをマウス代わりに使ったり、画面中に文字や線を書き込んだりできる。これらの機能は、タブレットPC専用のWindows XPである「Tablet PC Edition」に搭載されていたものだ。

 飯島シニアプロダクトマネージャは、「既存のTablet PC Editionを利用しているユーザーから、通常の業務で使っているパソコンでタブレット機能を使いたいとの要望が多く寄せられた」と、タブレット機能を搭載した理由を話す。マイクロソフトでは、PowerPointを使ったプレゼンテーションで、画面中に書き込みながら説明する、といった用途を提案していく。ほかにも、Windows Vista搭載パソコン同士でファイルを共有する機能「Windowsミーティングスペース」と併用することで、企画書などをチームのメンバーでレビューしながら編集する、といった使い方も可能だ。

 また、従来の「Windows XP Tablet PC Edition」に比べて、ペン操作の機能強化を図っている。その一つが「パニング機能」。PDFファイルを閲覧する「Adobe Reader」のように、手のアイコンで画面を“つかむ”要領で、画面をスクロールさせる機能だ。Internet Explorer 7や次期Officeなどは、標準でパニング機能を利用できる。ほかにも、手書き文字を登録して筆跡のクセを学習させる機能や、ペンで特定の軌跡をなぞってブラウザの「戻る」などの操作を実行する「ペン・ジェスチャー」などの機能を、新たに備えている。