NECは9月4日、高信頼性や統合的なセキュリティ、RFID(無線ICタグ)の活用など先進技術を採用した企業ネットワークの構築手法を体系化したと発表した。新体系の名称は「UNIVERGE ネットワークSI体系」。NECの都築一雄執行役員エンタープライズソリューション事業本部長は、「ビジネスプロセス改革や次世代ネットワークであるNGN対応などユーザー企業の要望が変化し、ネットワークSIの重要度が増している」と語る。

 NECは新体系とそれに伴う施策により、企業向けネットワークソリューション事業の売り上げを、2005年度の3500億円から、2008年度に5000億円にするという目標を掲げる。特に全体の売り上げのなかでSI部分の比率を上昇させており、2005年度の12%(420億円)から2008年度は20%(1000億円)にする計画だ。「ネットワーク分野でもハードのコモディティ化が進んでおり、利益率を高めるにはSIなどノウハウビジネスの促進が不可欠」(都築執行役員)とする。

 体系化することで、先進事例のノウハウを社内に蓄積し、展開しやすくするという狙いがある。具体的には、提案から設計、構築までのSIプロセスや構築手法のガイドライン、設計テンプレートなどのドキュメントを策定。また、設計情報をデータベース化してミスをなくし、コンフィグ生成や設定作業を自動化するツールなどを活用して生産性を向上する。「これまで各部署で開発、利用してきた設計ツールなどを積極的に全社展開し、1、2年後にはそれらのツールを統合していく」(福井昭UNIVERGEシステム本部長)という。

 現在、NECグループには全国に7000人のSI・運用要員がいるが、その中でもネットワークSIが扱える人材を増やしていく。さらに、陣容が整っている製品別の技術サポート部隊を、SI事業向けの技術サポート部隊と統合し、SIへのサポートを強化する。「要員を増やせない状況で売り上げを伸ばすためには、SI業務を体系化して生産性を向上する必要がある」(都築執行役員)。

 新体系は海外市場にも展開していく。海外では、サポート要員を1500人から3000人に増員する。将来はパートナー企業にも、新体系やそれに伴うドキュメント、ツールなどを提供する計画があるという。