不具合が見つかった12機種の1つ、「LCD-A174YW」
不具合が見つかった12機種の1つ、「LCD-A174YW」
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 アイ・オー・データ機器は2006年9月4日、同社が販売するパソコン用液晶ディスプレイ12機種の一部ロットを、無償で修理または交換することを発表した。電源コントローラーICに不具合があり、電源が入らなくなったり、動作中に電源が切れたりする恐れがある。対象となる機種とシリアル番号は同社Webサイトで公開している(発表資料)。また同社Webサイトまたは電話(0120-111-056)で修理/交換を受け付ける。

 不具合が確認されたロットは、15型、17型または19型の液晶ディスプレイの一部。2005年11月以降に発売となったもので、現在も販売中。2006年8月上旬になって、複数のユーザーから同一の症状が報告され、特定の部品メーカーから調達した電源コントローラーICが原因となり動作不良が起きていることが判明した。通常ディスプレイの起動時は、同ICからリセット信号を送信することでディスプレイの内部回路全体を初期化するが、今回不具合の起きた製品ではリセット信号の送信が正常に行われず、回路の一部が暴走して表示や操作に異常をきたす。なお、「きょう体の発火など、ユーザーに危険を及ぼすような事態になることはない」(同社広報)としている。

 同社では症状の報告があったのと同じロットについて、店頭から在庫を回収する方針。既に販売済みのユーザーに対しては、無償修理または交換を呼びかける。このほか、通常の保証期間(本体部は3年間、バックライトは1年間)にかかわらず、今回の不具合に起因する故障については保証期間後も無償で修理対応する。

 同ICにどのような問題があるのかは現時点で判明しておらず、現在も調査中としている。「同ICの設計自体には問題がないことを確認している。同ICの製造時の問題か、ディスプレイの製造時の問題か、あるいはユーザーが購入した後の劣化によるものかなど、詳細を現在調べている。ディスプレイ製造時の完成検査は全数検査していたが、不具合は発見できなかった」(同社広報)という。

 同社では「対象となった12機種は当社の液晶ディスプレイの中でも売れ筋に当たる製品」としているが、対象となる台数や現時点で報告されている症例数、同ICの調達元などは明らかにしていない。

■変更履歴
記事掲載当初、液晶ディスプレイの一部ロットをユーザーから回収するという記述になっていましたが、対象機種を所有しているユーザーがアイ・オー・データ機器に申請することで修理・交換となることから、回収という表現を改めました。 [2006/09/04 19:50]
記事掲載後、アイ・オー・データ機器から訂正の連絡がありました。下から2段落目にある「ディスプレイ製造時の完成検査は全数検査ではなく抜き取り検査としている」というのは誤りで、不具合の発生した12製品はすべて全数検査をしているとのことでした。日経パソコンの取材時には「全数検査ではなく抜き取り検査」との話でしたが、事実と異なるとのことなので、訂正させていただきます。本文は修正済みです。[2006/09/06 19:40]
アイ・オー・データ機器から再度、訂正の連絡がありました。上から2段落目に、「同ICはパソコンからアナログRGB端子などを経由してディスプレイの電源を制御する際に使用するもので、電源のオン/オフの切り替えなどができなくなる可能性がある」とありましたが、このICに関する説明と不具合の症状が誤りとのことです。取材時には、このような説明でしたが事実と違うということで、訂正させていただきます。本文は修正済みです。[2006/09/15 17:50]