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「Googleはオープンソース組織を内部に持つ営利企業」---梅田望夫氏が語るシリコンバレー精神とオープンソース

高橋 信頼=ITpro 2006/09/02 ITpro
吉岡弘隆氏(左)と梅田望夫氏(右)
吉岡弘隆氏(左)と梅田望夫氏(右)
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 「強制する装置を一切持たないにもかかわらず,オープンソース組織はきわめて高い生産性を達成している。Googleは営利企業でありながらオープンソース組織を内部に取り込むことで技術者の力を最大限に引き出している」---9月1日,都内で「ウェブ進化論」の著者である梅田望夫氏と,ミラクル・リナックス 取締役CTOの吉岡弘隆氏が対談イベントを開催した。

オープンソースの勃興に立ち会う

 このイベントは梅田氏の著書「シリコンバレー精神 グーグルを生むビジネス風土」(筑摩書房)の刊行を記念したもの。この「シリコンバレー精神」は,梅田氏が2001年に著した「シリコンバレーは私をどう変えたか」にその後のシリコンバレーの変化を追記して文庫化したものだ。オリジナルの舞台は1996年から2001年夏にかけてのシリコンバレーである。勃興するベンチャー企業,ネットバブルの到来と崩壊。その中で自らも独立しコンサルティング会社を興した梅田氏の個人としての体験と生活が,この本に書かれている。

 「例えば,このイベントは撮影した映像をYouTubeにアップする予定だが,そのYouTubeがどこから生まれたのかと言えばシリコンバレー。ビデオ共有でYouTubeに競合するサイトは多数あるが,その8割から9割はシリコンバレーにある。何か特異なものが,特別な精神がシリコンバレーにはある」(梅田氏)

 この「シリコンバレー精神」に書かれているまさにそのころ,梅田氏と吉岡氏はシリコンバレーのとある寿司屋で偶然,20年ぶりに再会した。吉岡氏は米Oracleでエンジニアとしてデータベースの開発を行っていた。実は,梅田氏と吉岡氏は同じ高校の出身である。吉岡氏が2年先輩にあたり,数学研究会に在籍していた。「そのころからコンピュータが好きで,ずっとコンピュータにかかわってきた」(梅田氏)。

 そして梅田氏と吉岡氏がともにシリコンバレーで過ごした最後の一年はオープンソース勃興の一年だった。「ソースコードはソフトウエアの知的所有権の根幹。そう信じて仕事をしてきた」という吉岡氏は,米Netscape CommunicationsがNetscape Navigatorのソースコードを公開するというニュースを聞いて衝撃を受けた。「どうやってお金をもうけるのかという疑問を抱いた反面,Netscapeのソースコードが読めることにわくわくした」(吉岡氏)。

 「シリコンバレー精神」には梅田氏がLinus Torvalds氏にインタビューしたり,Linuxのカンファレンスに参加したりする場面がある。このカンファレンスには梅田氏と吉岡氏がともに参加したこともあった。

 その後,吉岡氏は日本に帰国し,オープンソースをビジネスとする会社「ミラクル・リナックス」を設立する。「かつてはデータベースのような基本ソフトで世界に普及するものの開発にかかわるには,アメリカに行くしかなかった。しかしオープンソースの世界を見て,ひょっとしたら日本でもやれるんじゃないかと思った」(吉岡氏)からだ。

 オープンソースの開発者は世界に200万人いると言われる。「それだけの開発者がソフトウエアを作っている。鳥肌が立つようなこと」(吉岡氏)。グローバル・バーチャル・オーガニゼーション,世界規模の仮想R&D組織,そう梅田氏は言う。

誰も何も強制しないのに高い生産性

 梅田氏と吉岡氏,ともにオープンソースを間近で見て良く知るはずの2人は,実は声をそろえて「オープンソースは謎」という。オープンソースに触れ「なんなんだこれはという思い」を梅田氏は抱いたという。

 謎のひとつは「スケジュールもなければロードマップもない。てんでばらばらなのに,非常にクオリティの高いソフトウエアが生まれてくる」(吉岡氏)という,オープンソース開発モデルの生産性の高さだ。

 米Microsoftや,吉岡氏が在籍した米Oracleのような世界最大級のソフトウエア企業に比べても「遜色なく,場合によっては抜きん出ている」(吉岡氏)。

 Oracleとは「廊下を隔てて向かいの部屋にヒゲもじゃの人がいて,わからないことがあって聞きにいくと答えてくれる。あとで聞くと(世界初のリレーショナル・データベースである)SystemRを作った人だと教えられて驚いた」(吉岡氏)という企業だ。同じ敷地に,約20年前にリレーショナル・データベースという概念を発明した技術者がいる,そんな場所である。

 しかし,そのような最高峰のソフトウエア企業に劣らないクオリティのソフトウエアがオープンソース・コミュニティから生まれてくるとすれば,それはいったいなぜなのか。

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