ジュニパーネットワークスは9月1日、ファイアウォール機能を持つアプライアンスの新版OS「ScreenOS 5.4」の出荷を始めた。前版と同様に単体で提供するほか、今回から新たにスパム/フィッシング対策、ウイルス対策、URLフィルタリングという三つのセキュリティ機能を搭載した形でも提供する。近藤雅樹ソリューション・マーケティング・マネージャーは、「各機能は専用アプライアンス製品とそん色ない。これらを一括提供できるのは当社だけだ」と強調する。

 三つのセキュリティ機能のベースになっているのは、シマンテックのスパム対策ソフト、ロシアのカスペルスキー・ラボのウイルス対策ソフト、米ウェブセンスまたは米サーフコントロールのURLフィルタリング・ソフトである。URLフィルタリングについては、ユーザーが両製品のどちらかを選択できる。各機能とも、その分野で大手のソフトウエアがベースになっているのが特徴と言える。ScreenOS 5.4に対しては、シスコシステムズ製品のVoIP通信に対応するなどの強化を図っている。

 ScreenOS 5.4は、ジュニパーが2月に販売を開始したファイアウォール専用機「SSG(セキュア・サービス・ゲートウエイ)シリーズ」や、同社が2004年に買収した旧ネットスクリーンの製品などで利用できる。ジュニパーとこれらの製品に関する保守契約を結んでいる顧客は、ScreenOS 5.4に無償でバージョンアップすることが可能だ。

 スパム対策、ウイルス対策、URLフィルタリングの機能を使う場合は、別途年間ライセンス料がかかる。料金は動作させるマシンによるが、SSGシリーズの場合で「数十万円程度」(ジュニパー)。