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ノート用のCore 2 Duo(図1)は8月29日に発売され、パソコンメーカーからはCore 2 Duoを搭載したノートパソコンが同時に発表されている。今回、ノート用のCore 2 Duoは、実際にどれくらいの処理性能を持つのか、ベンチマークテストなどを使って確認してみた。なお、デスクトップ用のCore 2 Duoに関しては、以前評価しているのでこちらを参照していただきたい。
Core 2 Duoは、前モデルのノート用CPU「Core Duo」よりも機能が追加されている。2次キャッシュのメモリー容量を2倍の4MBへ増やしたものが登場したほか、同時に実行できる命令数を3から4へ増やすなど処理性能を向上させている。また、同社のノート向けCPUでは初めて64ビットにも対応した(図2)。
テストに使用したのは、メモリー容量、HDDなどまったく同じ仕様で、CPUのみが異なるノートパソコン(図3、図4)。CPUは、1台がCore 2 Duo T7600(動作周波数は2.33GHz)で、もう1台がCore Duo T2700(動作周波数は2.33GHz)。両CPUは動作周波数も同じなので、ほぼCore 2 DuoとCore Duoの内部構造(アーキテクチャー)の違いによる性能差を比較することができるはずだ。
最初に、ベンチマークソフト「PCMark05」を実行して処理性能を調べた(図5)。この結果では、Core 2 Duo搭載機の結果は4877、Core Duo搭載機は4549となった。数値の差は約300ほどあり、Core 2 Duoのほうが処理性能は高い。だが、差はついたものの、メールの送信、ワープロでの文書作成、インターネットに接続しての動画視聴、音楽再生など一般的な使い方では、Core 2 Duo、Core Duoの違いは感じられなかった。
次に、動画をエンコードしてそれにかかる時間を計測した(図6)。利用したソフトウエアはペガシスの「TMPGEnc 4.0 XPress」。テストでは、テレビ番組を録画した3GBのMPEG-2ファイルを、1.5GBのファイルに再エンコードするときの時間を測定した。Core Duoでは71分36秒かかったが、Core 2 Duoは51分18秒で終了した。また、別のテレビ番組を録画した2.85GBのMPEG-2ファイルを同様にエンコードしたところ、Core Duoでは66分、Core 2 Duoでは53分となった。動画の編集では、CPUの処理性能の差がはっきりと表れた。
最後に、CGのレンダリングを行う「CINEBENCH 9.5」のCPUベンチマークテストも実施した(下の動画を参照)。動画を見れば分かるが、Core 2 Duoの方がテストは速く終わる(このときのスコアはCore 2 Duoが703、Core Duoが637)。
動画の処理やCGレンダリングなどを行う場合は、Core 2 Duo搭載ノートなら扱うファイルサイズによっては作業時間を大幅に短くできる。画像処理などを多く行うユーザーであれば、Core 2 Duo搭載ノートを選ぶ価値は大きいといえるだろう。
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CINEBENCH 9.5を同時に実行したところ |
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左がCore 2 Duo、右がCore Duo |