国内で開発される主要Linuxディストリビューションの1つである「Vine Linux」の最新版,バージョン4.0 beta1が2006年8月31日に公開された(写真1)。初心者向けのやさしいユーザー・インタフェース,見やすいフォントなどで定評があるディストリビューションである。正式版のリリースは,2006年10月31日の予定。beta1は開発途上であるが,収録パッケージなどはほぼ確定している。そこで,インストール・ディスクのイメージを入手し,試用してみた。イメージは,開発を行うProject VineのWebページから入手できる。
今回は,バージョン3.xからのメジャー・バージョンアップであり,進化した点が多い。一番大きいのは,カーネルがバージョン2.4ベースからバージョン2.6ベースになったことである。3.xでは,バージョン2.6ベースのソフトウエアをバックポートして取り込んだ機能が多かったが,今バージョンではそのまま利用できるようになっている。
デスクトップ環境では「GNOME 2.14.2」を,WebブラウザにはFirefoxの次期版「Deer Park」を採用した(写真2)。Vine Linuxの特徴でもある,GUI上のパッケージ管理ツール「Synaptic」や,さざなみフォントに手を加えた「VL-Gothic/VL-PGothic」も収録している(写真3)。
Vine Linuxは,インストール・ディスクがCD-ROM1枚に収まる特徴を持ち,今回は約640Mバイトとギリギリの大きさとなっている。そのため,OpenOffice.orgなどのアプリケーションは含まれない。しかし,GNOME標準のゲームは削らずに収めているのは,ご愛嬌といったところか……(写真4)。