次世代光ディスクの製品化でHD DVDに先行を許していたBlu-ray Disc（BD）陣営が、国内でもようやく動き出す。
BD対応機器メーカー5社と映像ソフトメーカー14社は2006年8月29日、映画やアニメなどBD規格の映像ソフト75作品を、2006年11月3日以降順次発売すると発表した。併せて、シャープやソニー、パイオニア、日立製作所、松下電器産業の5社がBDレコーダーやBDプレーヤーを開発しており、早いものは2006年の年末商戦に日本国内で発売する見込みであることを明らかにした。
米ハリウッドの映画タイトルとしては、ワーナー・ホーム・ビデオが11月3日に「ファイヤーウォール」など4作品、11月23日に10作品を発売する。ブエナ・ビスタ・ホーム・エンターテイメントは11月8日に「南極物語」「60セカンズ」など4作品を発売するほか、2006年中に12タイトルを発売する。ソニー・ピクチャーズ エンタテインメントは11月に12タイトル、2007年3月までに40タイトルを発売予定。このほか、パラマウント ホーム エンタテインメント ジャパンと20世紀 フォックス ホーム エンターテイメント ジャパンが複数の映画タイトルを発売予定である。価格はほとんどの作品で3980円～4980円となっている。
音楽関連では、ソニー・ミュージックエンタテインメントが11月22日に6タイトルを発売する。CHEMISTRYや中島美嘉、平井堅などのライブ映像をそれぞれ収録した作品である。価格は5040円～6615円。BMG JAPANも発売の意向を表明している。アニメ関連では、GDHがCGアニメ「Project PAPO」を11月3日に、ポニーキャニオンがテレビアニメ「AIR」を12月6日に、それぞれ発売する。
日本国内では、BDの再生機能を持つ家庭用ゲーム機「プレイステーション 3」（PS3）が2006年11月11日に発売される。それに時期を合わせてBD規格の映像ソフトも順次発売し、冬のボーナスが支給され年末商戦がピークになる12月に向け、映像ソフトメーカー各社がラインアップを拡充させていく。
BD対応機器の開発も大詰めを迎えているようだ。報道関係者向け説明会の会場では、機器メーカー5社のうちシャープを除く4社が、開発中または北米で発売済みのBD対応機器を展示。開発中の機器の詳細や発売時期について、発表会での公式な説明は避けたものの、「近いうちに発表する」（ソニー コーポレート・エグゼクティブ SVP兼テレビ・ビデオ事業本部 副本部長の西谷清氏）と表明。BD関連の業務に携わるある関係者は「各社とも2006年10月に開催されるCEATEC JAPAN 2006で製品を展示し、年内発売を目指すスケジュールで動いている」との見通しを日経パソコン誌記者に語った。このほか、会場ではPS3でBDソフトを再生し、PS3のコントローラーで頭出しや設定変更などの操作をする実演展示を実施していた。
