Business Availability Center 6.1
Business Availability Center 6.1
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 テスト・ツール大手のマーキュリー・インタラクティブ・ジャパンは,業務プロセスの性能監視に力点を置いたシステム運用監視ソフト群の新版「Business Availability Center 6.1」(BAC)を,2006年8月31日に出荷する。リポジトリDBの共通化など,運用監視ソフト同士の連携機能を強化した。

 BACは,以下の4つのソフトウエアで構成する。(1)「End User Management」は,エンド・ユーザーが体験するアプリケーションの性能を,仮想ユーザーがユーザーに成り代わって監視するソフト。(2)「System Availability Management」は,ハードウエアの可用性などを対象としたシステム監視ソフト。(3)「Service Level Management」は性能がしきい値を超えたかどうかに着目するサービス・レベル管理ソフト。(4)「Diagnostics」は,アプリケーション・サーバーに専用のエージェントを埋め込むことにより,性能劣化や障害などの原因を,アプリケーションの深い部分までドリルダウンして判別できるようにする性能監視ソフト。

 BAC新版では,CMDBと呼ぶBAC製品群に共通のリポジトリ・データベースを用意した。これにより,BACを構成するソフトウエア同士のデータ連携が可能になった。例えば,ハードウエアやアプリケーションなど監視管理対象となる個々の要素を,サービス・レベル管理の初期設定時などに流用できるようになる。また,監視管理対象となる要素同士の依存関係を登録しておくことにより,トポロジ・マップと呼ぶ,ある要素に影響を受ける要素をマップ表示することができる。

 アプリケーション同士のデータ連携では,CMDBとは別のリポジトリではあるものの,BACとは別製品となる開発工程向けの性能監視ソフト「Load Runner」との連携機能も強化した。共通のレジストリを用意したことで,Load Runner側でスクリプトを更新した際に,BAC側でも新しいスクリプトを使って性能監視できるようになる。従来からLoad Runnerで仮想ユーザーの振る舞いを定義したスクリプトは,BACのEnd User Managementから利用可能だったが,ユーザー企業の開発部門と運用部門の壁が厚く,連携が取られていないケースが多かったという。

 BACを構成する4製品ごとの価格は以下の通り。End User Managementは,1トランザクションあたり60万円(税別)。System Availability Managementは,監視項目10個あたり16万円(税別)。Service Level Managementは,1トランザクションあたり19万2000円(税別),監視項目10個あたり4万8000円(税別)。Diagnosticは,監視対象となるアプリケーション・サーバー1CPUあたり128万円(税別)。