ソフトブレーンは、創業者で取締役会長を務める宋文洲氏が、8月31日で取締役を退任すると発表した。退任後は新たに設ける「マネージメント・アドバイザー」に就き、現経営陣への助言を行うが、経営の一線からは退く。

 宋会長は、かねてより「創業者がいつまでも経営トップに居座っているのは間違っている」との持論を展開し、今年1月には自らも代表権を返上。松田孝裕社長への権限委譲を進めてきた。この半年で現経営陣による事業運営を見届けたことで、委譲までの過度期は終わったと判断。取締役会長を退く決断をした。

 また、ソフトブレーンと、宋会長が個人で精力的にこなしている講演活動やメディアへの執筆活動との間に一線を画すための退任でもあるようだ。退任のリリースでは、「(既に経営から退いているのに)、社外の多くの方々が、いまだ私が“実力会長”としてソフトブレーンを動かしていると誤解し、私の個人としての言動を、会社とリンクして捉えている」と心情を語っている。この「永遠の誤解」を解くことが、退任を決める一因になったという。

 なお、宋会長はソフトブレーンの発行済み株式の9.36%を持つ筆頭株主。持ち株を手放す予定はなく、創業者としての助言、応援を続けていくという。