NECは,8月28日,世界標準規格のEPCglobalに対応したUHF帯の無線ICタグ(RFID)統合ソリューションを発表した。RFIDタグやリーダ・ライタなどのデバイスから,SCMやERPなどの基幹システムに連携するためのミドルウェア,業種ごとにテンプレートを用意したビジネスアプリケーション,導入コンサルティングまでを体系化し,NECグループ全体の統合ソリューションとして提供していく。

 2006年10月には,東京流通センターに「ユビキタスソリューションウェアハウス」を開設する。ここにRFIDシステムの導入を検討している顧客システムのシミュレーション環境を構築し,導入前の動作確認や,導入後のシステムの改善などに役立てる。タグの貼り付けや,リーダ・ライタの設置場所の検証,RFID読みとり精度の検証などを行う。

 「日本のグローバル企業には,業種や国境を越えてSCMを構築し,物流プロセスを改善したいというニーズがある。世界標準のEPCglobalに対応し,最も成長が期待できるUHF帯のソリューションを提供することで,RFID市場を拡大していきたい」と,執行役員の安井潤司氏は戦略を語る。

 NECはこれまで13.56MHz帯や2.45GHz帯のソリューション開発に取り組み,数十社の導入実績があるが,まだ本格的な事業展開には至っていない。国内電波法の改正でUHF帯RFIDが使用可能になったことから,EPCglobal対応のソリューションを揃え,事業に本腰を入れる。RFIDソリューション関連事業にグループ全体で350人を配し,2010年に500社への導入,2000億円の売り上げを目指す。国内企業向けのソフト・パッケージで1000億円,個別ニーズに合わせたシステム開発で1000億円を見込む。