日本生命保険は8月25日、次世代システムに1000億円を投資すると発表した。この7月に、同社社員が保険契約書類を改ざんしたことで受けた行政処分を踏まえての処置である。

 開発するシステムは「第1次アンダーライティングシステム」と「次世代アンダーライティングシステム」、「新統合サービスシステム」の三つ。第1次アンダーライティングシステムは、保険金支払いを査定するためのシステム。これまでは、書類と手作業で処理していたが、第三者チェックと進捗管理を強化するために、イメージ・ワークフローを採用する。

 次世代アンダーライティングシステムでは、支払い査定業務だけでなく、保険金・給付金の請求受付から査定・支払いまでの全事務工程を対象に、第三者チェックと進捗管理ができるようにする。保険金の請求時には、医学的な専門知識を必要とする判断も支援する。

 三つ目の新統合サービスシステムは、顧客管理や事務管理、商品管理を担うもの。現行システムを再構築し、支払件数の増加や保険商品・特約の種類の多様化・複雑化に伴う業務量の増加に対応する。

 第1次アンダーライティングシステムはこの9月に構築を完了、2007年3月までに新システムに切り替える。他の2システムは06年10月から開発に着手し、次世代システムは09年内に、新統合サービスシステムは11年3月にそれぞれ完成させる予定だ。

 業務改善命令に対して同社は今回、200人規模の人員再配置を図ることや、執行役員制度の導入など管理体制を強化することも発表している。