記者会見の様子。本間雅之取締役(写真中央)は、「今まで得ることができなかった視聴者を広範囲に得ることができる可能性に大変期待している」と語る。後方スクリーンに表示しているのが、対象となる番組「BlogTV」
記者会見の様子。本間雅之取締役(写真中央)は、「今まで得ることができなかった視聴者を広範囲に得ることができる可能性に大変期待している」と語る。後方スクリーンに表示しているのが、対象となる番組「BlogTV」
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 東京メトロポリタンテレビジョン(呼称、TOKYO MX)は2006年8月24日、一部番組を「YouTube」などの動画共有サイトでも視聴可能にすると発表した。TOKYO MXは、東京を視聴エリア(約850万世帯)とする民放のテレビ放送局。対象となる番組は「BlogTV」(毎週金曜日22時~22時30分に放映)で、放映終了後の翌月曜日までに同社がYouTubeなどにアップロードする。YouTube以外に、米グーグルが提供する「Google Video」や、「Revver」にも並行してアップする。これにより、TOKYO MXを視聴できない東京以外の人や、海外に在住する人も同番組を楽しめるようになる。将来的には、動画共有サイトが提供する動画広告を活用しスポンサーを得ることで、新たな収益源としたい意向だ。

 番組は、番組のスポンサーが提供するCMをカットし、コーナーごとに区切られた状態でYouTubeなどに提供する。これは、YouTubeにアップできるビデオ映像が1本当たり最大10分間という制約があるためだが、「コーナーごとに著作権や著作隣接権といった権利の処理が違ってくる点からもメリットがある」(同社)という。今回の取り組みを開始するに当たり、同社はBlogTVの出演者からネット上で自由に再配信したり加工できる許諾を得た。契約上は、視聴者自身がYouTubeにアップすることも問題がない。

 「米国ではNBCがYouTubeと提携した例はあるが、国内の放送局で番組をほぼリアルタイムに提供する試みはTOKYO MXが初のはず」(同社)。ただしTOKYO MXの場合は、YouTubeとは提携せず、あくまで一ユーザーとして番組をアップロードする点が違う。なお、過去の番組についてはアップロードしない。

 今後同社は、国内の動画共有サイトを経由した番組の供給や、携帯電話、ポッドキャスティングの活用にも積極的に取り組む考え。