「J-SOX対応と、業務改革や基幹システム再構築を同時に進める企業はわずか16.5%」――電通国際情報サービスは、日本版SOX法(J-SOX)が求める内部統制の整備状況に関する実態調査の結果を明らかにした。同社が7月に東京と名古屋で開催したセミナーの出席者を対象にアンケート調査を実施。上場企業を中心とした310社が回答した。

J-SOX対応と業務改革や基幹システム再構築を同時に進める企業は16.5%

 J-SOX対応の方針について、「J-SOXの要件に限定して対応する」とした企業が32.3%に上り、「業務改革や基幹システム再構築を合わせて対応する」と答えた企業は16.5%にとどまった。「対応方針を検討中」とした企業も51.2%あった。専門家の間では「内部統制の整備に当たって業務改革を並行するべきだ」という意見も多いが、実際には、多くの企業が法の要件に合わせた最低限の取り組みを目指しているようだ。

 J-SOX対応プロジェクトの発足状況については、43.0%の企業が「発足済み」とする一方、37.8%が「これから検討」とした。業種別ではエネルギー、医薬品、金融といった業種でプロジェクト発足済みの企業の比率が高かった。

 東証・大証などの1部上場企業では46.0%が発足済み、2部上場企業では50.0%が発足済みとしたのに対し、ジャスダック上場企業では22.7%となっている。すべての上場企業がJ-SOXの適用対象になるが、上場先の市場によって対応の進ちょくに格差があるようだ。

 J-SOX対応の「計画立案」については、「対応済みか対応中」とした企業は61.9%だった。「計画立案を誰とやっているか」を聞いた質問では、「外部の監査法人」が40.8%、「コンサルティング会社」も16.3%あった。「自社内」で独自に計画立案を進める企業も40.8%に上った。一方で、「文書化」の作業については、39.1%の企業が「対応済みか対応中」とした。ここでも、エネルギー、医薬品が他業種に比べて先行している。