セイコープレシジョンは2007年春ごろまでに,メールの送信時刻を認証するためのゲートウエイ型アプライアンスを出荷する。同社は,ネットワーク経由で情報システムの時刻情報を証明するサービス「SEIKO CyberTime時刻認証サービス」を提供しており,新アプライアンスはこのサービスを利用するもの。8月23日から開催している「内部統制ソリューション展」のブースで明らかにした。

 CyberTime時刻認証サービスは,時刻情報を証明したい情報システムがネットワーク経由で利用する署名サービスである。PKI(公開鍵インフラストラクチャ)で用いられる電子署名の仕組みを応用し,第三者であるセイコープレシジョンがユーザー企業のデータに時刻情報を含んだ署名を施す。これにより,業務のやり取りがいつ行われたのかの証明になる。

 時刻認証サービスを利用する業務アプリケーションのパッケージ例として,今回新たに電子メールに時刻情報を署名するアプライアンスを企画した。ソフトウエアはすでに完成しており,内部ソリューション展のブースでデモを展示している。

 同社はすでに,S/MIMEゲートウエイやメール・ソフトを出荷するオレンジソフトに話を持ちかけるなど,時刻認証サービスへの対応を広めている。さらに,Microsoft Outlookなど著名なメール・ソフトでもプラグインを追加する形式で利用可能にすることを検討している。これによって,電子メールの時刻証明を一般化させるのが狙いである。これまでにも時刻証明サービスは,京セラコミュニケーションシステムズが提供する,携帯電話のカメラ機能で撮影した画像とGPS位置情報に対して撮影時刻を証明するサービスで採用されるなど,応用例を広げている。