「内部統制は上場している大企業だけに関係するものではない。大企業と取引がある中堅・中小企業にも不可欠な取り組みだ」――。

 オービックの野口盛明氏(執行役員 ソリューション推進部長)は8月23日,東京・有楽町で開催中の「内部統制ソリューション展」の講演において,このように指摘した。野口氏はその理由を,「安定した経営を求める大企業や金融機関が与信管理のために内部統制の状況説明を求めるからだ」と説明する。

 しかし,中堅・中小企業には大企業ほどコストをかけられないという問題がある。つまり,大企業以上に効率的に内部統制を確立しなければならない。

 そのためには「ERP(統合業務)パッケージを利用するのが一番効率的だ」と野口氏は主張する。ERPパッケージには,ユーザーを認証するためのID/パスワード管理機能や権限設定機能,アクセス・ログ取得機能などをあらかじめ備えているものが多く,内部統制のために個別に製品を購入する必要が少ないためだ。

 とはいえ,ERPパッケージの導入だけで内部統制を確立できるわけではない。野口氏は,「IT業務処理統制に対応するためのERPパッケージ導入コンサルティングだけでなく,IT全般統制のためのITインフラ整備に関するコンサルティングができるベンダーを選択してほしい」と語った。