富士通は8月22日、内部統制やセキュリティ、BCP(事業継続計画)といったテーマで研修やコンサルティング・サービスなどを提供する施設「Enterprise Innovation Support Center」を、東京・浜松町に開設した。平田宏通 経営執行役上席常務は「内部統制やセキュリティなどに関連した顧客の悩みを、一挙に解決するための場にしたい」と説明する。8月23日に運営を開始する。

 Enterprise Innovation Support Centerでは、研修、コンサルティング、製品の動作紹介(デモンストレーション)といった三つのサービスを提供する。研修は、「日本版SOX法への対応基礎」や「業務プロセス統制実践」、「BCP策定講座」など、9種類のコースを用意。「ユーザー企業の担当者が、0.5~1日と短期間で基礎的な知識を学べるようにする」(平田上席常務)。料金は各コースとも5万~10万円程度。

 内部統制の導入方法や実施手順などについて、具体的な相談がしたい顧客には、コンサルティング・サービスを提供する。相談料は無料。システム化や文書化など、具体的な作業が発生する際は、別途料金がかかる。

 製品デモは、内部統制に関連する文書の作成支援ツール「VMT(Valuevision Modeling Tool)」、内部監査支援パッケージ「OnBase 内部監査マネージャ」、BCP策定支援ツール「BCEXPERT」、二酸化炭素(CO2)排出量の算定ツールなど、12種類の製品を紹介する。いずれも無料で提供する。

 平田上席常務は、「顧客と議論をしながら、顧客が抱える悩みを解決していきたい」と、知識を一方的に教え込む通常の研修施設と異なる点を強調する。顧客との議論を促進させる狙いもあり、夕方以降になると施設内の休憩スペースでビールを用意するという。

 Enterprise Innovation Support Centerの収容人員は150人。利用には事前の予約が必要。富士通は来年3月までの間に、6000人の利用を見込んでいる。