「HP Halo Collaboration Studio」
「HP Halo Collaboration Studio」
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 日本HPは8月22日,高画質テレビ会議システム「HP Halo Collaboration Studio」(以下,Halo)の販売を開始したと発表した。1000円札の模様を判別できる映像品質と,世界各地を結びながら往復で200ミリ秒以内という低遅延時間を両立。その場で向かい合っているかのような臨場感で会議ができるという(写真)。

 Haloのネットワークは,世界各地の拠点を622Mビット/秒のSONET(同期光ネットワーク)専用線で構築している。さらに,IPパケットがネットワークの最短経路を常に流れるようにオペレーション・センターが制御。これら一連の工夫により,米国と南インドのバンガロールを結ぶ通信でも,往復で200ミリ秒以内という低遅延を実現した。

 高画質のため,細かな部品の識別などが遠隔地でも十分に可能。出張して商品のサンプルを確認するといった作業を減らせるため,商品開発のスピードを大幅に高められる。実際に同システムを導入したアニメーション制作会社の米ドリームワークスは出張回数を半減。従来は1年間に1本だけだった作品制作を2本に増やせたという。日本企業でも既にキヤノンが採用を決めている。

 同システムを利用するには,50インチのディスプレイを4台備え付けた専用スタジオを設置する必要がある。初期設置費用は2室の場合で42万5000ドル(約4888万円)。スタジオの運用・保守はHPが一括して請け負う。運用費用は,日本で利用する場合で月額3万ドル(約345万円)。HPでは多国籍企業に向けて売り込む。