全員がLinuxを使うASPの社内風景
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OpenOffice Calcを利用する管理部門の社員
OpenOffice Calcを利用する管理部門の社員
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OpenOffice Calcの画面
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開発部門の社員のLinux機
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代表取締役CEO 浅田高春氏
代表取締役CEO 浅田高春氏
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 「全てオープンソース・ソフトウエアなら違法コピーは発生しない」(ASP代表取締役 浅田高春氏)---会計や販売管理などWeb業務システムを提供している株式会社ASPはこのほど,社内のデスクトップ機36台をWindowsからLinuxへ移行した。目的はISMS認証の取得にともない,社内の違法コピー・ソフトウエアを一掃することなどだ。

 ASPは,会計,販売管理,給与,就業管理などの業務システム「助太刀シリーズ」をASP(Application Service Provider)として提供している企業である。人材マッチングなどのWebアプリケーション「Applisシリーズ」や,携帯電話サイト向けコンテンツ管理システム「SYSMO」,WebPOSシステム「@POS」,Asteriskを利用したIP電話システム「AsterTel」などの開発,販売も行っている。

 Linuxへの移行を開始したのは2006年の5月末からだ。「Windowsにインストールされているソフトウエアが正規のライセンスに基づくものかどうか,すべてチェックするのは手間がかかり,正規に購入しなおせばコストがかかる。すべてオープンソースのLinuxにしてしまえば調べる手間もなく,ライセンス料もかからない」(浅田氏)。アプリケーションも,WebブラウザはFirefox,メール・クライアントはThunderbird,オフィス・ソフトはOpenOffice.orgと,すべてオープンソース・ソフトウエアである。

 開発部門では容易に移行できた。もともとサーバーはLinux,開発言語にはPHP,DBMSにはPostgreSQLを利用している。「Windowsを利用していると,別に開発サーバーを立てる必要があったが,デスクトップ機をLinuxにすれば,その上でApacheやPHPを稼動させればよい。別にサーバーを用意する必要がなくなる」(浅田氏)。

 抵抗があったのは経理など管理部門だった。レイアウトの崩れなどが発生し,ExcelからOpenOffice.orgへうまく移行できないファイルもあった。Microsoft Officeでの確認などが必要な場合に備えて,2台のWindows機が残してある。またLinuxではVisioで作成されたファイルが開けなかったため,画像ファイルとして送付してもらうよう取引先に依頼した。

 6月末には,全社員のパソコンをLinuxに移行し,社長を含め全員が現在も継続して利用中である。ISMS認証は最終審査が終了し,年内にも取得できる見込みという。