「Web 2.0やオープンソース,SOAといった最新のITトレンドは“オフコン”には関係ないと思われているが,そうではない」---日本アイ・ビー・エムのシステムi事業部 事業部長 野々下信也氏は,ゼンド・ジャパンが主催したイベント「エンタープライズPHP最新動向」でこう語った。

 IBMのSystem iシリーズはかつてAS/400という名称で1988年に登場,「オフィス・コンピュータ」,略して「オフコン」と呼ばれた。独自のプロセッサを積み,開発言語はCOBOLや独自言語RPG中心だった。現在は汎用プロセッサであるPowerPCを搭載するとともに,Apache,PHPなどのオープンソース・ソフトウエアも動作している。

 すでに国内で事例もある。福島県の須賀川東部運送では,在庫管理システムをSystem i上のPHPアプリケーションで動かしている。外食チェーンなどを展開する山口県のパオはUNIXサーバーなどをIBM eServer i5に統合,PHPやDominoなどを稼働させている。吉田工務店はPHPで開発されたオープンソースのポータル・サイト構築ツールXOOPSを利用している。IAサーバではなくSystem iが採用された理由は,運用管理の容易さや信頼性などであるという。

 2006年にはSystem i上でPHPの活用を目的とした団体「OpenSource協議会 - System i5」も設立されている(関連記事)。同協議会のWebサイトではPHPアプリケーションの動作確認情報などが掲載されている。