「今年,新プロセサの投入はまだ終わってはいない。これからも多くの製品を投入する」。米Intelのパット・ゲルシンガー上席副社長兼デジタル・エンタープライズ事業本部長はこう宣言した。インテルが8月21日に開催した記者会見上のことである。

 ゲルシンガー副社長によると,インテルは2006年後半中にもサーバー向けの「Xeon 7100番台」など,複数の新プロセサを投入する。

 Xeon 7100番台はインテルが開発コード「Tulsa(タルサ)」を呼んでいたもので,4個以上のプロセサを搭載するマルチ・プロセサ構成のサーバーを想定した製品。ポイントは,2つのコア同士で共有する3次キャッシュを16MB搭載すること。Xeon 7100番台の前バージョンとなる「Xeon 7000番台(開発コード名はPaxville MP)」も同じデュアルコア型だが,3次キャッシュは備えておらず,各コアが2MBの2次キャッシュを搭載していた。

 7100番台の動作周波数は3GHz弱~4GHzの模様。ゲルシンガー副社長は「エネルギー効率の追求を目指す」とコメント。インテルが最近掲げている「性能と消費電力とのバランス」に沿ったプロセサであることを強調した。定格消費電力が90Wで動作する製品を用意するという。

 また,7月に発表した「Core 2 Duo」のワークステーション向け製品も投入する。6月に発表した「Xeon 5100番台(開発コード名はWoodcrest)」も米DellやHP,Appleなどのワークステーション機で採用されている。Core 2 DuoとXeon 5100番台の市場の切り分けについてゲルシンガー副社長は,「Xeonはデュアル・プロセサ(2個のプロセサ)機,Core 2 Duoのワークステーション版は,シングル・プロセサ機向け」と説明する。

 プロセサ以外の動きとして,企業向けに運用管理機能を強化したプラットフォーム「vPro」を挙げた。vProを採用したパソコンが,年内に各パソコン・メーカーから登場する模様である。

 プロセサ市場では,最近米AMDの追撃が目立つ。ゲルシンガー副社長はAMDの動きに対して,「当社が今年提供したプロセサのラインアップは非常に強い」と自信を見せた。「各種のプロセサを当初の計画よりも前倒しで進めており,この量産能力がポイントだ。ベンチマークの結果も良い。これで市場の勢いを(インテル側に)シフトできる」(ゲルシンガー副社長)。