米デルが2006年8月14日(現地時間)に発表した発火のおそれがあるノートパソコン用バッテリーパックの自主回収を受けて、パソコンメーカー各社は自社製品で同様の問題が発生しないかの確認を行っている。今回、デルが回収対象としているのは、ソニー製リチウムイオン電池を採用したバッテリーパック。他社でもソニー製リチウムイオン電池の採用状況を中心に調査を進めている。

 NECでは「過去5年間に出荷した機種ではソニー製バッテリーは搭載していないので問題はない。それ以前の機種については引き続き調査中」(コーポレート・コミュニケーション部)、富士通も「2006年8月17日時点で、調査した範囲ではソニー製バッテリーは採用していないので影響はない」(マーケティング担当)としている。

 日本ヒューレット・パッカード(HP)、レノボ・ジャパンはソニー製リチウムイオン電池をノートパソコン用に使用しているが、いずれも自主回収は行わない方針。「発火という問題はこれまで発生していない。ソニー側からも影響はないという回答を得ている」(日本HP広報)。「製品に組み込んでいるバッテリー管理用ソフトに動作異常を検知するシステムを入れており、問題を未然に防ぐ機構を組み込んでいる」(レノボ・ジャパン広報担当)。

 一部報道で、ソニー製リチウムイオン電池を採用していると報じられたアップルコンピュータでは「ソニー製リチウムイオン電池採用の有無も含めて調査中」とコメントしている。

 デルが自主回収の対象としている発火の恐れがあるバッテリーパックは、2004年4月1日から2006年7月18日にかけて出荷された410万本。バッテリーの背面に「DELL」および「Made in Japan」または「Made in China」、「Battery cell made in Japan Assembled in China」と記載されている。同社の「バッテリ自主回収」ページではバッテリーパックのIDから自主回収対象製品を確認するツールを提供している。

 デル日本法人では「使用中のノートパソコンが自主回収対象かどうかを調べていない場合、念のため電源を切った状態でバッテリーパックを外し、ACアダプタで使用してほしい」としている。