ソフトバンクは2006年8月8日,2006年度第1四半期(4-6月期)の連結決算を発表した。売上高は前年同期のほぼ2倍の4942億円,営業利益も「ソフトバンク創業以来最大の黒字幅」(ソフトバンクの孫正義社長)という543億円に達した。直近2カ月分の業績を連結したボーダフォン(10月からソフトバンクモバイル)が全体の業績を押し上げた結果である。孫社長は決算発表の場で,「最近改めて,ボーダフォン買収は成功だったと認識している。中長期的に見ても,本当にいいタイミングで買収ができた」と述べ,移動通信事業の業績に満足感を表した。

 ただし,同社の移動通信事業には解決すべき課題も山積している。ソフトバンクグループ全体の営業利益のほぼ半分を稼ぎ出したとはいえ,ボーダフォン単体のこの四半期の営業利益は前年同期に比べ約13%減少の312億円(4-6月)にとどまる。今後は,第3世代移動通信(3G)サービス用の基地局増強のための積極投資により,グループ全体の営業利益は「黒字が維持できるレベル」(孫社長)まで減る見通しだ(詳細は日経ニューメディア2006年8月14日号に掲載)。