[画像のクリックで拡大表示]

 日本AMDは8月15日、サーバー向け64ビット・プロセサ「Opteron」の新製品を発表した(写真)。「Revision F」と呼ばれていたもので、同日から順次出荷を開始する。この新プロセサによりすべてのモデルが、1プロセサにコアを二つ搭載する「デュアルコア」になった。

 特徴は、前製品に比べて、メモリーとの間でデータをやり取りする帯域幅を1.25倍に拡張したこと。また、メモリー・モジュールは消費電力がより小さい「DDR2」を採用し、サーバー全体での消費電力を抑えられるという。

 また、従来からある仮想化の支援機構であるAMD Virtualization(AMD-V)を搭載した。仮想化用のソフトウエアで使う命令セットをプロセサ側に備えている。

 製品ラインは三つある。2プロセサまでの対称型マルチプロセッサ(SMP)構成が可能な「2000」、8プロセサまでのSMPが可能な「8000」、そして1プロセサの「1000」の各シリーズだ。周波数は1.8G~2.8GHz、最大の消費電力は68~125ワット。

 IDCジャパンによると、64ビットを含むx86サーバー向けプロセサ市場におけるOpteronのシェアは、ワールドワイドで13.3%(2006年第1四半期の台数ベース)だが、日本市場に限ってみると3.0%(同)にすぎない。その理由は、NEC、富士通、日立製作所といった大手サーバー・メーカーがOpteronを採用していない点にある。ただ、ここにきて、外資による販売体制の強化が進んでいるため、日本市場でのシェアが変わってくる可能性がある。

 8月上旬、これまでOpteronの品揃えが少なかった日本IBMがラインアップを大幅に拡充したうえ、専従販売部隊の設立を発表(関連記事)。Opteronに注力するサン・マイクロシステムズも製品群を増やした(関連記事)。また、日本ヒューレット・パッカードの橘一徳インダストリースタンダードサーバ製品本部プロダクトマーケティング部部長は、「現在、(日本HPが販売する)x86サーバーの7~8%がOpteronだが、これを早期に10%まで持っていきたい」という。