IP電話普及推進センタ(IPTPC)と情報通信設備協会(ITCA)は8月10日,IP電話技術の資格を一本化することに合意した。ITCAがIP電話技術者を教育するために設けている「ITCA VoIP資格」を,IPTPCが運営する「IPTPC VoIPアドバイザ資格」に移行する。

 ITCAでは,IP電話システム工事にかかわる技術者を育成するため,2003年9月に「ITCA VoIP資格」を設け,技術者向けに系統的な研修と資格認定を進めてきた。この活動に,当初からIPTPCは協力してきた経緯がある。たとえば,「ITCA VoIP試験」は,IPTPCが2002年12月から運営している「VoIP認定技術者資格制度」で使う「IPTPC VoIPアドバイザ試験」に準拠。また,ITCAとIPTPCでは両資格の相互認定を実施している。

 今回,ITCAは,IPTPCのVoIP資格が事実上の業界標準になっているとの判断,「ITCA VoIP資格」認定を終了し,「IPTPC VoIPアドバイザ資格」を使用することを決定した。

 IPTPCは,沖電気工業が,IP電話の普及促進への貢献を狙いとし,2002年4月10日に設立。2003年1月28日にNECが参加し共同運営となり,その後2005年10月4日に日立製作所,2006年6月1日に岩崎通信機が参加している。ITCAは,電気通信の健全な発達と国民の利便の増進を図るため,電気通信関連の端末設備の調査および研究を行い,公正かつ自由な事業活動を促進し,公共の福祉を増進することを目的に活動している。ITCAには,沖電気やNEC,日立のほか,富士通,東芝,パナソニックコミュニケーションズ,NTT-MEなどが参加している。