住商情報システムは,リッチ・クライアント開発言語「Curl」向けMVCフレームワーク「CX4」を,2006年8月15日に出荷する。クライアント側で画面遷移を実施するリッチ・クライアントの特質に合わせたMVCソフト部品であり,サーバー側で動作する従来のMVCフレームワークの代わりになる。価格は開発プロジェクトあたり120万円(税別)またはプロジェクト無制限で500万円(税別)。販売目標は初年度20セット。
Curlは米Curlが開発したリッチ・クライアント言語。住商情報システムは米Curlおよび日本法人であるカールを買収し100%子会社としている。
CX4は,Webアプリケーション・サーバーとWebブラウザ(HTTPクライアント)との間でセッションを管理して画面推移を実現するMVC(Model,View,Control)モデルを,Curl言語を用いてクライアント側に実装したフレームワークである。クライアントとWebサーバー/Webアプリケーション・サーバーとの間の通信はHTTP/HTTPSを前提としており,PHPスクリプトとして実装したサーバー側アプリケーションのサンプル・コードを同こんする。Modelを別途開発することで,Webサービスなどへのインタフェースを実現することも可能である。
CX4の特徴は,Webブラウザ上でリッチ・クライアントを実現する開発言語「Curl」向けに設計したことである。リッチ・クライアントは,HTMLのやり取りだけをするWebブラウザ画面と異なり,クライアント側で画面の切り替えやデータ処理などのロジックを実装・実行する。サーバー側のMVCフレームワークにはServlet/JSPコンテナと組み合わせて動作するStrutsといったソフトが有名だが,Webブラウザを前提に作られているため,Curlクライアント環境向けにアプリケーションを開発するのは難しかった。クライアント側にMVCモデルを実装するCX4によって,Curlを用いたリッチ・クライアントの画面推移を開発しやすくなるとしている。
Curlはテキスト・ファイル「*.curl」として実装したクライアント・アプリケーションを,Webブラウザ上で動作するランタイム環境Surge RTE上でコンパイル/実行する。テキスト・エディタとビジュアル開発の2-Way開発が可能だ。Curlクライアントを適用することにより,Webブラウザをベースとしつつ,単体のクライアント・アプリケーション同等のリッチな画面操作とデータ処理が可能になる。