米シスコシステムズは、2006年度第4四半期と2006年度通期の業績を発表した。どちらも過去最高の売上高を記録した。米国やインド、中国などで好調だったものの、日本市場は横ばいだった。通信事業者や大手企業の投資の鈍さが足を引っ張った格好だ。

 第4四半期は、売上高が79億8000万ドル(約9177億円)で、一般会計基準ベースの純利益は15億ドル(約1725億円)だった。セットトップ・ボックスなどを手掛けるサイエンティフィック・アトランタを買収したこともあり、売上高は前年同期比で20%近く伸びた。2006年度通期では、売上高が前年同期比12.9%増の285億ドル(約3兆2775億円)、純利益が2.8%増の56億ドル(約6440億円)である。

 第4四半期の売上高に占める日本の割合は、約4%と例年よりも低くなっている。「売上高自体が大きく減ったわけではないが、米国や中国で次世代ネットワーク(NGN)構築に向けて通信事業者の投資が活発化していることが影響して、相対的に比率が下がった」(シスコシステムズ)。ジョン・チェンバース社長兼CEO(最高経営責任者)は、「1~2年後には、日本でも通信事業者が設備投資を本格化させるだろう」とみる。

 全世界では、中堅・中小企業向け分野が、通信事業者向け同様、20%近く売上高が伸びた。「中小企業向けの製品が整ったことが要因」(シスコシステムズ)である。