マイクロソフトは8月9日,悪質なプログラム(ウイルス)を検出して削除する「悪意のあるソフトウエアの削除ツール」の新版を公開した。新版では「Banker」と「Jeefo」にも対応した。ダウンロードセンターや「Microsoft Update」などから利用できる。対応OSはWindows XP/2000/Server 2003。
今回公開された新版バージョン1.19では,新たに「Banker」と「Jeefo」に対応した(いずれも亜種を含む)。「Banker」は,特定の銀行サイトのユーザーIDやパスワードを盗むプログラム(トロイの木馬)。実行されるとユーザーのパソコンに潜み,Webブラウザのタイトル・バーやアドレス・バーを監視する。そして,特定の銀行サイトへユーザーがアクセスすると,入力されたキー情報を記録して攻撃者にメールやFTP,HTTPで送信する。Bankerの亜種の多くは,ブラジルのある銀行のユーザーをターゲットにしているという。
また,Bankerの亜種の多くは,グリーティング・カードを表示するためのソフトウエアに見せかけられているという。ユーザーがだまされて実行すると,Bankerが動き出す。
「Jeefo」はファイルに感染するウイルス。実行されると,パソコン中の実行形式ファイルに自分自身を埋め込んで感染させる。また,パソコンの起動時に実行されるように,Jeefo自身をサービスとして登録する。
悪意のあるソフトウエアの削除ツールはダウンロードセンターから入手できる。Microsoft Updateからも適用可能。Windows XPおよびWindows Server 2003 SP1については「Windows Update」からも利用できる。「悪意のあるソフトウエアの削除ツール」のWebページからは,同ツールのActiveXコントロールを利用できる。
・悪意のあるソフトウエアの削除ツール (KB890830)
・悪意のあるソフトウエアの削除ツール