「Linuxを導入しただけでは、オープンソース・ソフトウエア(OSS)によるコスト削減効果は薄い。データベースのPostreSQLやWebアプリケーション・サーバーのJBossといったOSSのミドルウエアを採用すれば、初期コストや保守・運用コストを含め、コスト削減効果は大幅に上がる」。野村総合研究所(NRI)の情報技術本部オープンソースソリューションセンター寺田雄一グループマネージャーは、こう話す。

 NRIは、商用製品のミドルウエアを組み合わせてシステムを構築した場合と、同社が提供するOSSの開発基盤およびサポート・サービス「OpenStandia」を利用した場合で、5年間に保守・運用コストがどれだけかかるかをシミュレーションした。その結果、「OSSを利用すれば、商用製品を使う場合の半額程度のコストで保守・運用できることがわかった」(寺田グループマネージャー)。
 
 しかし、OSSを利用しようとすると、「日本語のマニュアルがない、パラメータ設定の仕方がわからない、といった不満をよく聞く」(寺田グループマネージャー)。そこでNRIは、「OSSへの取り組みを容易にする支援策をより強化していく」(同)。7月にはOpenStandiaの一環として、JBossやPostgreSQLなどのパラメータ設定をGUIで可能にするツールの提供を始めた。